2ちゃんねるまとめ
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2 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/08/31(月) 10:09:51
【魔王城 暗黒の広間】

魔王「はっはっは!どうした勇者よ!虫の息ではないか」
勇者「くそぉ…」

魔王「頼りの仲間達は既に私に倒され…状況は圧倒的に不利ではないか」
勇者「ぅうっ」

魔王「恐らく、HPゲージも赤いのではないか…?」
勇者「ぐぅ…っ」

勇者は 片膝をついた。



3 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/08/31(月) 10:51:28
魔王「お前も人の子。死ぬのは恐ろしいだろう」
勇者「……… ………」

魔王「四肢を裂かれ、熱に身を焦がし、五臓六腑を食いちぎられ、
   そこに転がる仲間の様に、貴様も惨たらしく逝きたいのか?」
勇者「……… ………」

魔王は 天に向かって指をかかげた!
虹色の炎が 爪に灯った!

魔王「そこでだ。ここらで取引と行かないか?」
勇者「とり…ひき…だと?」
魔王「お前は死なせるのには惜しい力の持ち主だ。さぁ、この炎を見よ」

勇者は 揺らめく炎を見つめた。
勇者は 気が遠のいてしまった!

4 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/08/31(月) 11:34:48
【はじまりの街】

母親「起きなさい。起きなさい私の可愛い勇者や……」
勇者「………うーんうーん………えっ!」
母親「勇者や、どうしたの?王様に会っていらっしゃい」

勇者は 飛び起きた!

勇者「か、母さん?!」

勇者は 母親に抱きついた!

母親「どうしたの?今日はとても大切な日。
   お前がはじめてお城に行く日だったでしょ」

勇者「ああ、母さん…」すりすり
母親「ヘンな子ねぇ。急に甘えん坊になって」

5 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/08/31(月) 12:28:49
【はじまりの街 城】

王様「敵は"魔王"じゃ!世界の人々は未だ魔王の名前すら知らぬ」

姫君「このままではやがて世界は魔王に滅ぼされてしまいます。
   勇者様、魔王を倒してください!」

勇者「姫…」

勇者は 姫君を見つめている。

姫君「どうしました?私の顔に何かついておりますか?」

王様「勇者よ。気持ちは判るが、我が姫の美貌に見とれておらんで、早よう出立せよ!」

勇者(あぁ、姫…)

6 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/08/31(月) 14:03:11
【はじまりの街】

少年「ゆーしゃのおにーちゃん!気をつけてね!」

青年「おい勇者ぁ。気をつけて冒険に出ろよ」

叔母「留守中の家族の面倒は、私に任せなさいって!」

神父「おお、神よ!この者にあらん限りの祝福を!」

商人「王様に内緒で、この銅の剣をやるよ」

勇者は 立ち止まった。

勇者(何もかも…あの旅立ちの朝と同じだ…)

7 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/08/31(月) 14:54:25
【はじまりの街 酒場】

ルイ「ここはルイダーの店。仲間をもとめてあつまる出会いとわかれの酒場よ。何をお望み?」
勇者「あ、あの、仲間を探しに来たんだが」
ルイ「二階にいるわよ。どうぞーん」

勇者は 階段を昇った。

勇者(もし、もしこれがあの日と同じなら…)

男性「おっと、ゴメンよ」

男(銀次)の 攻撃!
ミス!勇者の財布をスれない!

男性「………ちっ」
勇者(同じだ!あの日、俺はこいつにここで財布をスられたんだ!)

8 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/08/31(月) 16:06:21
賢者「私達のPTリーダーは、貴方ですか?」
戦士「宜しく…」
武道「おっ、強そうだな!」

賢者 戦士 武道家があらわれた!

賢者「早速ですが、自己紹介をしま」
勇者「…お前は、うおのめだろう」
賢者「えっ?!」

勇者「お前は…カオル。お前はもりそばだ」
戦士「!!」
武道「何ぃっ!」

勇者「悪いが、違う。俺はこっちのPTのリーダーなんだ」

勇者(そうそう。隣のテーブルのやつらは、確かそんな名前だった)

9 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/08/31(月) 16:24:39
僧侶♂ 魔法使い♂ 戦士♀が現れた!

勇者「みんな、宜しく」
僧侶「宜しくお願いいたします」
魔法「宜しくな」
戦士「よぉろしくぅー!」

戦士は 大きく腕を振り上げた!

勇者(ああ、この背中ビンタが地味に痛かったんだよな)

勇者は さっと身をかわした!

10 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/08/31(月) 16:46:26
勇者(どうやら、これは俺が旅立った朝らしい)

勇者(オレが旅立ってから一ヵ月後、街は魔王軍に襲われたと風の噂で聞いた)
勇者(母さんや、姫、街のみんな…)
勇者(俺が…勇者なばっかりに…)

僧侶「いかがされました、勇者殿?」
魔法「顔色が悪いぜ?」
戦士「おなか空いてるのか?」
勇者「あ、いや。大丈夫だ…」

勇者(ここで…ここでもし、俺が旅立たずに、城の近くにいれば…?)

12 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/01(火) 09:35:21
【はじまりの街 近くの村 宿屋】

勇者「みんな落ち着いて聞いて欲しい。
   俺達が旅立ったあの城下町。
   あそこは一ヵ月後、魔物の群れに襲われる」

全員「ええっ?!」

勇者「だから俺達は…出来る限りこの大陸から離れず、レベルを上げなくちゃならない」
魔法「何言ってるんだ、勇者。ウソd」
勇者「ウソじゃない!」

勇者は 思い切りテーブルを叩いた!

13 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/01(火) 11:19:47
勇者「大声をあげた。すまない。
   …だが、このまま次の大陸に進んでしまうと、
   しばらくこちらの大陸に戻ってこられないんだ」

僧侶「どういう事ですか?」
勇者「それは…い、言えない」
戦士「…だからこの間、見つけた旅の扉を潜らなかったんだな」
勇者「ああ…」

勇者(隣の国に渡ると、その国のボスを倒すまで扉が開かないんだ)
勇者(しかし、これは渡らないと判らない事)
勇者(今は、それを言うワケにはいかない…っ)

14 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/01(火) 12:35:58
僧侶「しかし…何故その様な極秘情報を、勇者殿はご存知なのですか?」
勇者「そ、それも…言えない」ごにょごにょ

魔法「言えない言えないってよ…そんなんで冒険を中断するのかよ?」
勇者「街さえ救えば…すぐ再開するさ!」

魔法「無茶だぜ!こうしてる間にも、世界は恐怖に覆われt」

戦士は 魔法使いの肩を叩いた。

戦士「良いじゃないか、魔法使い。
   お前だって、家族がいる街が襲われるってなったら、何としてでも阻止したいだろ?」
魔法「…ああ…」

戦士「我々のPTリーダーは、勇者だ。なら私はリーダーに従うまでさっ」
勇者「ありがとう、戦士」
戦士「お礼は街を救った後でな!」

15 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/01(火) 14:06:10
【旅立ちの洞窟 最奥】

バブルスライムを 倒した!
アルミラージを 倒した!
まほうつかいを 倒した!
おおありくいを 倒した!

勇者「レベル上がったか?」

僧侶「私は20になりました」
魔法「俺は23」
戦士「あちゃー。あたしまだ19」

勇者「時間が無い。あと一週間で30まで頑張ろう!」

16 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/01(火) 15:23:50
【はじまりの街 近くの村 宿屋】

勇者(明日。明日が一ヵ月後だ)

勇者(レベルも全員30まで、どうにか上がった)
勇者(ライデインにベホイミにイオラ。これならどうにか戦えるな)

勇者(だが…敵は何処から攻めてくるんだ…?)
勇者(俺は、襲撃の詳しい内容は何も知らないんだ…)

勇者は 柄を握り締めた。

勇者(たとえ知らなくても…母さんや、姫を…守る!)

17 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/01(火) 16:11:37
【はじまりの街 街の裏手】

勇者達は 草むらに潜んでいる。

勇者「戦士。街の門はどうだった?」
戦士「門兵が、ちゃんと固めてたよ」
勇者「門兵のオヤジ達はああ見えて、かなり強いからな。大丈夫だろう」

僧侶「しかし、私達だけで魔物の群れと、戦えるのでしょうか?」
勇者「レベル30って言ったら、とっくに転職が出来るぐらいだ。自信を持ってくれ」
魔法「武器だって防具だって、ここらで手に入る最強の物身につけてるもんな」

勇者(この先の大陸にある装備を身につけられてたら、まだ良かったんだが…)

18 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/01(火) 16:28:38
【はじまりの街 街の裏手 夕方】

勇者「一向に現れる気配がないな…」
戦士「…蚊に食われた」ぽりぽり
僧侶「そ、そろそろトイレに行ってきても良いですか?」
魔法「腹減ったなぁ」


【はじまりの街 街の裏手 夜】

僧侶「まさか野宿になるとは」
勇者「城の跳ね橋も、上がったな」
戦士「寝ずに見張るか…?」
魔法「ちょっと冷えてきたなぁ」


【はじまりの街 街の裏手 真夜中】

ボコッ…ボココッ…

花壇の土が 盛り上がった!
庭先の土が 盛り上がった!
墓場の土が 盛り上がった!

戦士「お、おいみんな。気をつけろ!街の空気が、何かヘンだぞ…」

19 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/01(火) 17:04:33
マクロベータが 暗闇からあらわれた!

マク「キャーホホホ!キャーホ!
   皆殺しぃ!皆殺しだぁあー!」

マクロベータは 仲間を呼んだ!
地面の中から 腐ったしたいがあらわれた!

戦士「な、何だあいつ…?」
僧侶「し、死体が地面の中から現れましたよ?!」
魔法「街の外から来ると思って、油断したぜ…くそっ!」

勇者(マクロベータ…だと…?)

勇者たちは 草むらから飛び出した!

21 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 10:30:55
僧侶「ニフラム!」

僧侶はニフラムを放った!
腐った死体A Bを 光の彼方に消し去った!

戦士「家には入れさせないよ!」

戦士は くさり鎌を構えた!
戦士の 攻撃!
腐った死体C Dを倒した!

魔法使いは 杖を構えた!

魔法「炎の波にかき消えろ…ベギラマ!」

魔法使いは ベギラマを唱えた!
腐った死体 E Fに ダメージを与えた!

22 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 11:27:39
勇者「大気よ、爆ぜろ!イオラ!」

勇者は イオラを唱えた!
腐った死体 E Fを倒した!

死体「うぼわー」「ぐばー」「ずるずる」

勇者「みんな、大丈夫か?!」

戦士「つ、次から次に…キリがないよ!」
魔法「一撃で沈められないな。ヤバいぜ」

僧侶「となると、あの司祭の魔物を倒さねばなりませんね…」

23 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 11:54:22
マク「キャホ!キャホーォ!
   かわいそぉーかわいそぉー。
   ニンゲンは弱い。弱いはニンゲン」

マクロベータは 仲間を呼んだ!
地面の中から グール達があらわれた!

魔法「あいつ、また仲間を呼んだのか?!」
戦士「何だ…?あのゾンビは…」
僧侶「見た事がないゾンビですね」

勇者(グール…だと…?)

24 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 12:36:17
僧侶「アンデッドなら…任せてください!ニフラム!」

僧侶はニフラムを唱えた!

しかし グール達には 効かなかった!

僧侶「わ、私のニフラムが…効きません…」へなへな

魔法「オレに任せとけ!
   極炎の熱波に攫われろ…ベギラゴン!」

魔法使いは ベギラゴンを唱えた!
グール達に 100のダメージ!

グル「グググ…」「ウボワァー」

グール達は 立ち上がった!

25 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 13:18:11
魔法「げぇっ?何で倒れないんだ?」
勇者「そいつらはHPが高いんだ!もう一発頼む!」
魔法「ウソだろ?俺、MPもう殆どねぇよ」

マク「キャーホ! キャッキャッ!
   どんどん除虫。どんどん除虫!」

マクロベータは 仲間を呼んだ!

ドラゴンゾンビが あらわれた!
ホロゴーストが あらわれた!
ブラッディハンドがあらわれた!

勇者(ケタが…違いすぎる…)

26 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 14:31:42
戦士「うおりゃぁーーー!」

戦士の 攻撃!
ドラゴンゾンビに 10のダメージ!

戦士「く、くさり鎌が、折れちまった…」
腐竜「ニヤリ」

ドラゴンゾンビは 胸骨を広げた!
ドラゴンゾンビは 凍りつく息を吐き出した!

僧侶「あ、危ない!フバーハ!」

僧侶は フバーハを唱えた!
優しい衣が 勇者達を包み込む!

27 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 14:49:53
僧侶「み、みなさん…すみません…そろそろMPが尽きそうです…」

魔法「僧侶のフバーハが解けたら、オレがベギラマで息を相殺する!
   勇者!その隙にヤツをやってくれ!」

勇者「…だ、ダメだ…こいつらは…俺達に勝てる相手じゃないんだ…」

勇者は 地面に座り込んだ。

28 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 15:24:55
戦士「諦めるなよ、勇者!まだこんぼうがあるじゃないか!」
勇者「戦士…」
戦士「さぁ、行こうぜ!」

ガチャーン!
どこかで何かが壊れる音がした!

村人「きゃああー!」「うわあああ」「ひいぃー!」

魔物達が 民家に侵入を始めた!

戦士「家が…ま、マズい!」
勇者「ま、待て戦士!早まるn…」

戦士は 飛び出した!

29 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 15:57:17
ホロ「ホロシュシュー…」

ホロゴーストは 死の爪を戦士に向けた!
髑髏の霧球が 空間に出現した!

ホロ「…ザキ…」
戦士「ふ、ふぐぅっ!」

戦士は 倒れてしまった!

勇者「戦士ぃー!」

30 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 16:14:34
腐竜「グルルルル…!」

ドラゴンゾンビの 攻撃!
僧侶に 痛恨の一撃!

僧侶「ぐふっ…」

僧侶は 倒れてしまった!

勇者「僧侶ー!」

勇者は 僧侶を抱え起こした!

魔法「ヤ、ヤバい…ヤバいぜ…オレは…オレは死にたくねぇ!」
勇者「ま、待て、魔法使い…っ!」

魔法使いは 逃げ出した!

31 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 16:25:11
魔法「し、死にたくねぇ…死にたくねぇよ!」

魔法使いは 走っている。
魔法使いは 走っている。
魔法使いは 走っている。

おおっと!
魔法使いは みごとに転んでしまった!

血手「ブラララ…」「ブブブ…」「ブラ…」

地面の中から ブラッディハンド達があらわれた!

32 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 16:38:46
魔法「ひ、ひいっ!何だこの赤い手は…?」

ブラッディハンドAは 魔法使いの足をつかんだ!

ブラッディハンドBは 魔法使いの手をつかんだ!

ブラッディハンドCは 魔法使いの腰をつかんだ!

ブラッディハンドDは 魔法使いの髪をつかんだ!

魔法「や、やめろ…さ、さわるな…やめてくれぇえぇえぇ!」

魔法使いの悲鳴が 闇夜に木霊した。

33 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 16:58:49
勇者は 虚ろな瞳で月を見上げている。

勇者(ああ。あの日、街はこいつらに襲われたのか…)
勇者(やれるだけはやった…でも、ダメだ…ムリだ…)
勇者(…装備もレベルも違いすぎる)
勇者(…俺達には…どうしようもなかったんだな…)

グール達は 勇者を取り囲んだ。
灰色の眼窩が 勇者を見つめている。

勇者(あの時…残ってても、ダメだったんだ…)
勇者(こんな事なら、とっとと次の大陸に行ってれば…)
勇者(母さん…姫…)

勇者は 目の前が真っ暗になった!

34 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/02(水) 17:03:32
【貿易の街 宿屋】

戦士「起きろよ、ゆーしゃ!オラ!朝だぞ!」
勇者「………うーんうーん………えっ!」
戦士「勇者、どうしたんだ?」

勇者は 飛び起きた!

勇者「せ、戦士?!」

勇者は 戦士に抱きついた!

戦士「どうしたんだ、急に?」
勇者「ああ、戦士…」すりすり
戦士「寝ぼけてんのか?まぁ、たまには良いかーw」

勇者(イヤな夢を見た…)

36 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 09:46:40
【貿易の街 宿屋】

勇者(あれ?俺、レベルが20だ)
勇者(確か、30あった筈だが…ああ、あれは"夢"だったからか…)
勇者(はじまりの大陸を出た時は、確か10ぐらいだったしな)
勇者(そうだよなー。30なんて、あるわけないよなぁ)

勇者は 部屋を出た!

僧侶「おはようございます、勇者殿!」
魔法「うなされてたぞ、大丈夫か?」

勇者「そ、僧侶…魔法使い…」ぎゅっ

勇者は 僧侶と魔法使いに抱きついた!

僧侶「な、ど、どうしました?」
魔法「勇者の抱きつき癖が出たぞw」

勇者(本当、イヤな夢だった…)

勇者「何でもない!さぁ、情報集めに酒場へ行こうぜ!」

37 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 10:11:18
勇者(ここは確か…2つ目の大陸の中間点、貿易の街だな)

勇者(この街の宿に泊まった時、俺達は夢を見た)
勇者(精霊の女王から、エルフの娘の捜索を頼まれる夢だ)

勇者(で、魔物が操る人買い集団のアジトがあるって噂を、酒場で聞いたんだ)

勇者は 酒場への道を歩いている。

勇者(もし、もしこれがあの日と同じなら…)

男性「おっと、ゴメンよ」

男(銀次)の 攻撃!
ミス!勇者の財布をスれない!

男性「………ちっ」
勇者(同じだ!あの日、俺はこの酒場の近くで財布をスられたんだ!)

38 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 10:44:02
【エルフの隠れ城 女王の間】

女王「ああ、良くぞ参った人の子よ。
   そなたらが、我が里の娘を助けに行ってくれるとな?」

勇者「はい女王様。人がエルフを攫うなど、恥ずべき行為であります。必ずやお助けします」

女王「何とも頼もしき人の子よ。さぁ、近こう寄れ…」

女王は か細い手を差し出した。

勇者(確か、ここで手を取るのは罠だった…)
勇者(俺は女王の手に触れた罪で、投獄されたんだ)
勇者(身代わりに仲間を一人置いて、三人でダンジョンに向かわされたっけなぁ…)

勇者「いいえ、女王様。下々の者である私が、尊き貴方様の御手に触れるなど、失礼千万」
女王「ほぉう…なかなか礼儀を弁えておるの」

女王は 微笑を浮かべた。

39 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 11:37:14
【人買いのアジト 洞窟】

勇者「いいか。この洞窟は罠がてんこ盛りのダンジョンだ」
戦士「え、ワナだって?」
僧侶「こんな自然の洞窟にですか?」
魔法「ははは!んなワケねーって!」

勇者「…例えば」

勇者は 床の赤石を剣でつついた!
おおっと!
地面から 槍が飛び出した!

戦士「うーわぁあ…」
僧侶「エゲつないですね…」
魔法「さ、さすが人買いの潜む洞窟…」ブルッ
勇者「だろ?油断は禁物だ。俺が先頭を行くから、その通り着いてきてくれ」

勇者(この洞窟のトラップには散々苦しめられたんだ。忘れるもんか!)

40 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 11:56:41
【人買いのアジト 洞窟】

げんじゅつしが あらわれた!
キャットバットが あらわれた!

戦士「早速、お出ましか!」
僧侶「行きますよぉ!」

勇者(げんじゅつしか…)

勇者「魔法使い!ヒャダルコだ!
   僧侶は、しわしわ野郎にマホトーン!
   俺と戦士は、あのネコだ!」

戦士「わ、わかった!」
ネコ「フ、フニャニャッ!」

勇者(こいつらには魔法を封じられて散々苦労させられたんだ!忘れるか!)

41 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 12:41:26
【人買いのアジト 洞窟】

魔法「道が二つに分かれてるな」
僧侶「どっちでしょうか…」
戦士「棒倒しで決めようぜ!」

戦士は 枯れ枝を地面に立てた。

勇者「…左に行こう」
戦士「え?いつもみたく木の枝で決めないのか?」
勇者「ああ。ちょっとな」

勇者(確か右のルートは、すぐアジトだった筈)
勇者(なし崩し的にそのまま戦闘が始まったから、左には来られなかったんだ)

勇者達は 左の坂を上がり始めた。

42 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 14:03:31
勇者「行き止まりか?…」きょろきょろ

戦士「なぁ、この岩と岩の間に隙間があるんだが…」
僧侶「おや、中の様子が伺えそうですよ」
魔法「ちょっと覗いてみようぜ」

勇者(隙間…だと…?)

勇者達は こっそり中を覗いた!
魔法の水晶玉が 宙に浮いている!

女王「まもなく…そちらに勇者達が着くであろう…」
魔女「ははーっ」

女王「パーティのメンバーを一名預かり損ねたが…なぁに、問題なかろう」
   我が魅了の術にかからないとは…さすが勇者よの」

魔法の水晶玉は 女王の言葉を伝えている

43 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 14:36:16
女王「人買いに化けさせている魔物は、まだそのままであろうな?」
魔女「はい、女王様」

女王「よしよし。ゆめゆめ、そやつらを元の姿に戻すでないぞ?
   魔物共には、やがて来る勇者を向かい討たせる故」
魔女「ははーっ」

女王「…人の姿であれば、勇者の攻撃の手も鈍ろうぞ……ほほほほ」

女王は 甲高く笑っている。

女王「して、エルフの娘は何処に?」
魔女「別室に留めております」

女王「あれは魔王への大事な貢物…丁重に扱えよ?」
魔女「御意」

44 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 15:12:48
女王「魔王から使いは、まもなく着く頃であろう。
   お主は隣の隠し部屋へ娘を隠し、
   勇者が去った後、魔王の使いに娘を引き渡すのじゃ!」

魔女「御意」

女王「人買いの魔物が勇者を倒せば、それも良し。
   倒せずとも時間を稼げれば、それも良し。
   どちらにせよわらわは、あの娘を引き渡せるというワケじゃ」

魔女「ははーっ!」

女王「我が魅了の術を身体に籠められしあの娘が、
   見事、魔王を篭絡出来れば、
   世界が我が物となる日が、早まろうぞ…くくく…」

勇者(何…だと…?)

45 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 15:49:29
戦士「おい!あの女王、悪者かよ!」ひそひそ
魔法「人の夢にまで忍び込むなんて…おかしいと思ったんだよな」ひそひそ
僧侶「だ、だから、あんな破廉恥な格好で、私の夢に出てきたのですね!」ひそひそ

勇者「…とりあえず、あの娘を助けよう!話はそれからだ!」

勇者達は 坂道を急いで下った!

勇者(エルフの娘は…助けにいった時、部屋にいなかった)

勇者(城に戻った俺達は、女王に叱責、失念され…
   城を追い出されて…無力さに打ちひしがれた)

勇者(後味の悪い依頼だったが…まさかこんな裏があったとは…)

勇者(…俺は…俺達は、踊らされていたのか…?)

46 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 16:09:22
【人買いのアジト 最奥の部屋】

人買「ここ…オレたち…アジト」
人買「う…うううう…ジャ、ジャマするノカ…?」

人買い達が あらわれた!

勇者「お前らは…人じゃない。魔物だな!」
人買「ア、アアアウウ?」
人買「ナ、なんだと?ナゼわかた?」

人買い達は おどろきとどまっている。

勇者「手加減なしで、やらせてもらうぞ!」

勇者は はがねのつるぎを構えた!

47 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 16:32:04
勇者「こいつらは打撃を跳ね返す!呪文と属性武器で倒すんだ!」

戦士「わかった!援護する!」
魔法「呪文なら、任せろ!」

僧侶「…風の靴よ、我らが足に集え!ピオリム!」

僧侶は ピオリムを唱えた!

僧侶「勇者殿は、早く娘さんを!」
勇者「おう!」

勇者(今度こそ、エルフの娘を助けるんだ!)

48 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/03(木) 16:42:11
勇者(さっき、岩の隙間から見た時、この壁に隠しスイッチがあった)ごそごそ

勇者(……… 開いた! ………)

勇者は 隠し部屋を見つけた!

勇者「む、娘さん!何処ですか?!」
エ娘「ゆ、勇者…さま…」

勇者は 壁に繋がれたエルフ娘を発見した!
勇者は 拘束をはずした!

勇者「さぁ、急いで脱出しましょう!」
エ娘「え、ええ」

魔女「お待ちなさい…」

黒服の魔女が 現れた!

50 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/04(金) 09:41:38
魔女「その娘は大事な贄。何処へ連れて行こうと言うの?」
勇者「魔王には渡さん!」
魔女「な、何だと?!」

勇者は 指を突きつけた!

勇者「お前のたくらみは、全てまるっと、スリっとゴリっとエブリシングお見通しだ!」
魔女「ぬ、ぬうぅ…」

魔女は 髑髏の杖をかざした!

魔女「その娘は、女王様からの大切な預かり品。
   何としても、その娘を渡すわけにはいかん!」

51 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/04(金) 10:49:32
勇者(勝てるか…ソロで?)
勇者(大丈夫。やれるさ)
勇者(今頃、戦士や僧侶、魔法使いも人買いを倒してるだろう)
勇者(打撃を跳ね返させなければ、雑魚の魔物だ)
勇者(すぐ援護してくれるだろう!)

勇者「良いだろう、こい!」

勇者と魔女は 戦っている。
 勇者と魔女は 戦っている。
  勇者と魔女は 戦っている。

勇者(おかしい…みんな、みんなは?)

52 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/04(金) 11:46:58
勇者と魔女は 戦っている。
 勇者と魔女は 戦っている。
  勇者と魔女は 戦っている。

勇者(はぁ、はぁ…)

勇者「おおい!みんなぁ!」

勇者は 仲間を呼んだ!
しかし だれもあらわれなかった。

勇者「えっ…」

53 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/04(金) 12:07:59
??? があらわれた。

??「…娘は…どこだ」
魔女「魔王の使いの…じごくのきしか」
勇者「?!」

勇者は振り返った。
じごくのきしが 現れた!

獄騎「娘を渡せ」
魔女「この勇者を片付けたら、すぐにでも渡そう」
獄騎「…判った」

じごくのきしは 6本の腕を鳴らした。

勇者「地獄の…騎士…だと?」

勇者(な、何でこんな強いやつが、この段階で出るんだ…?)

54 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/04(金) 12:52:10
獄騎「さてと。地獄へと出立する時間だぞ」

じごくのきしは サーベルを光らせた。
鮮血が 床に滴り落ちた。

獄騎「最も…貴様の仲間は、既に旅立っているがな」
勇者「何だとっ?!」

勇者の顔色が 変わった。

魔女「ほぉ。小五月蝿いニンゲン共を既に屠ってきたか!
   さすがは魔王の使いだ」

勇者(みんな…こいつにヤラれちまったのか?)

55 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/04(金) 14:23:29
じごくのきしの 攻撃!
勇者に 大ダメージ!

じごくのきしの 攻撃!
勇者に 大ダメージ!

勇者の 攻撃!
ミス!じごくのきしに ダメージをあたえられない!

勇者「くそぉ!」

勇者(勝てるワケないだろう…!俺はまだレベル20なんだぞ?)

56 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/04(金) 15:04:33
魔女「幻影に踊れ…マヌーサ!」

勇者を 妖しい霧が包む!

勇者「こ、こんな霧!くそっ!」

勇者は 霧を振り払っている。

獄騎「そろそろ引導を渡してやろう…」

じごくのきしは 大きく口を開いた!
じごくのきしは やけつく息を吐いた!

57 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/04(金) 16:03:46
勇者「ぐ、う、ぐああ………」

勇者の全身を 痺れる痛みが襲う!

勇者(オレは…助けられないのか…)

勇者(…仲間も…自分も…誰も…何もかも…)

勇者(せめて…エルフのあの娘は…助けたかった…)

勇者は 目の前が真っ暗になった!

58 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/04(金) 16:41:45
【勇者の船 船内】

魔法「おい勇者、まもなく陸だぜ?」
勇者「………うーんうーん………えっ!」
魔法「勇者ぁ、どうした?」

勇者は 飛び起きた!

勇者「ま、魔法使い?!」

勇者は 魔法使いに抱きついた!

魔法「おっ、な、何だぁ?どうしたぁ?」
勇者「ああ、魔法使い…」すりすり
魔法「おいおい、オレはノンケだぞ?船酔いで混乱したのか?ははっw」

勇者(ああ、イヤな夢を見た…)

59 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/04(金) 17:14:13
勇者(ここは…船か…)

勇者(船内に飾ってあるアイテムから見ると、3つ目の大陸を目指しているところか)

勇者(ある日、ダンジョンで手に入れた導きの角笛を海上で吹いたら、人魚が現れた)

勇者(俺達は人魚の願いを聞き、海の洞窟に巣食った魚人を倒した)

勇者(人魚の子供を助けた俺達は人魚に導かれ、ようやく3つ目の大陸を見つけたんだったな)

勇者(そして今日が、その大陸に上陸する日だ!)

勇者は 甲板に向かった!

61 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 09:39:47
【勇者の船 甲板】

船長「おはよう、都会の小魚っ子!慣れない船は最悪だろ?」

船長は 羅針盤を手に笑っている。

僧侶「ホイミ…ホイミ…ホイm…うぐっ」

僧侶は 船酔いに苦しんでいる。

魔法「無理すんなって、僧侶。おめーも休んでこいよ」
戦士「こればっかりはねー、慣れないとねー」

戦士は 海風を浴びて気持ち良さそうだ!

62 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 10:17:54
勇者「すまない、みんな。横になったら大分落ち着いたよ」

魔法「いいって事よ。
   ほら、人魚のお嬢さん達がお待ちかねだぜ、勇者」

魔法使いは 舳先を指差した。

魔法「親睦の杖、通訳にいるか?」
勇者「あ、ああ。頼む。貸してくれ」

勇者は 親睦の杖を受け取った!
勇者は 舳先へ向かった!

63 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 10:57:31
【勇者の船 舳先】

人魚「ユウシャ!」

人魚達が 現れた!

勇者「やぁ、人魚のみんな。もうすぐ陸だって?」

人魚「ソウ!あとチョット!」
人魚「モウ、ミエル!アレ、アレがソウ!」
人魚「ゆーしゃタチ、トドケル。これニンギョのシメイ!」

人魚は 海水を浴びせてきた!

64 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 11:28:53
人魚「オヨゴウよ!ユウシャ!」
人魚「ユウシャぬれる!イイオトコ!」

勇者「ははっ。冷たいよw」

勇者(今でこそ、こうして話が出来る様になったが…)
勇者(最初は人間に怯えていたんだよな…)

勇者(海の魔物に怯え、地上の人間にも怯える日々)
勇者(俺達はそんな人魚達を見て、魔王討伐の決意を新たにしたんだった)

65 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 12:18:23
【導きの街 港】

船長「錨をー、降ろせー!」
船員「おぃーっす!」

勇者の船は 港に着いた!

勇者「さぁ、3大陸目だ!魔王の居城はすぐそこだ!」

僧侶「よ、ようやく下船ですね…ほっ」

戦士「腕が鳴るねぇー」ポキポキ

魔法「道具とか補充しに行こうぜ!」

66 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 12:40:49
【導きの街 宿屋】

勇者「あの山を越えれば、魔王城が見える筈だ」

戦士「いよいよ、か」
僧侶「私達の長い旅も、もうすぐ終焉ですね」

魔法「明日に備えて、今日は早く寝ようぜ」

勇者(そうだ。この日の夜中、俺は一人で宿を抜け出したんだ)

勇者(人魚に…会いに)

67 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 14:05:16
【導きの港 浜辺】

勇者(確か…この辺りの岩に…)キョロキョロ
勇者(やっぱりいた。人魚だ)

勇者(俺を一番慕ってくれてた…人魚のルソリア)
勇者(あの晩、眠る俺の夢の中に話しかけてきたんだ)

勇者(俺はこれから、三大守りの一つである水の守りを手に入れる)
勇者(魚王と戦い、勝った証だ)

勇者(ただしそれは…ルソリアの尊い命を犠牲にして得た勝利…)
勇者(最後の最後、MPが尽きた俺を庇い、ルソリアが…メガンテで魚王を…)

勇者は いなづまの剣の柄を握り締めた。

勇者(犠牲になんて…させない!もう誰も!)

68 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 14:53:31
【導きの港 浜辺 岩陰】

勇者(あの時船で俺は、魔法使いから親睦の杖を預からなかった)
勇者(だからあの時、ルソリアが魚王と何を話していたか、俺は判らなかったんだ)

勇者(しかし、今回は親睦の杖を持ってきてる)ぎゅっ
勇者(これで人魚のルソリアが何を話しているか、聞ける!)

人魚「…ねが…です…しゃを…がして」
魚王「…らぬ…だめ…とも…えが…せい…」

勇者は 親睦の杖を天に掲げた!
魚王と人魚の言葉が 判る様になった!

69 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 15:47:32
人魚「勇者は大事なニンゲンなんです!お願いです。見逃して下さい!」

魚王「ならぬ!あの者共は、我が一族の聖域に足を踏み入れた!
   その罪、万死に値する!
   今より大津波を起こし、街ごと飲みこんでくれるわ!」

勇者(何…だと…?)

人魚「あれは…あれは、私がお願いしたんです!」
勇者「?!」

70 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 15:59:20
人魚「だって、私達が毎日ウミホウズキの笛で
   助けを求めるメロディーを奏でても、
   魚王様は全然助けてくれなかったじゃないですか!」

魚王「はっ。たかが一部族であるお主の村なぞに、貴重な戦力は裂けんからのぉ」

人魚「でも、勇者達は…来てくれた!
   魚人に攫われた村の子供…私の子供を…勇者達は助けてくれた!」

ルソリアは 尾びれを岩に叩きつけた!

71 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 16:14:57
勇者(ルソ…リア…)

魚王「何を言うか。子供など、いくらでも産めよう?」

人魚「人魚は、魚王様達とは仕組みが違うんです!
   私達は魚みたいに、ぽこすかぽこすか
   何万個も卵を産めません!」

魚王「…出来損ないの小魚の分際で、良く喋る」
人魚「………はっ!」

魚王「ルソリア…お主は…我ら魚類を侮辱した…
   貴様も同罪だ…共に藻屑にしてくれよう!」

魚王は 三又の矛を構えた。

72 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 16:28:58
勇者「そこまでだ、半魚野郎!」

勇者が あらわれた!

勇者「話は聞いたぞ、ルソリア!」
人魚「ゆ、勇者!」

魚王「この者が…勇者か…」

魚王は 全身の鱗を逆立たせた!

魚王「我が一族の者を愚弄し、誑かし、聖域を侵した罪…
   海雪が降る深海の底で、永久に償うが良い!」

73 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 16:43:42
勇者と魚王は 戦っている。
 勇者と魚王は 戦っている。

勇者(こいつにはライデインが有効だったが、あの時俺はMPを使いすぎた)

勇者(今回は、いなづまの剣で、MPを節約だ!)

勇者(ルソリアに、メガンテは唱えさせない!)

  勇者と魚王は 戦っている。
   勇者と魚王は 戦っている。

勇者「全ての者を守らぬ王など、いらん!」
魚王「グァアアァ!」

勇者は いなづまの剣を突き刺した!

74 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/07(月) 16:51:55
勇者(イケる…イケるぞ!)
勇者(このまま、このまま押し切れば…!)

魚王「うぐぬぬぬぬ…貴様、ニンゲンの分際で…」

魚王は 仲間を呼んだ!
キラーシェルが 2体 あらわれた。

勇者(なか、ま…?こいつ、そんなの呼ぶのか?)
勇者(前に戦った時は、呼ばなかったぞ…?)

77 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 09:19:15
殺貝「くぱぁー!」

キラーシェルA の攻撃!
ミス!勇者にダメージを与えられない!

勇者「はっ!今頃、仲間を呼んでも遅いぜ!」

勇者の攻撃!
勇者は キラーシェルAを倒した!

魚王「ぐぬぬぬっ!」

勇者(このままこの半魚人野郎を、ライデインで仕留めてやる!)

78 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 09:59:55
人魚「ダメ、勇者!早く貝を倒して!」
勇者「え」

キラーシェルBは 殻を打ち震わせている。

殺貝「ザ、ザ、ザ、ザ、ザ…、ザキッ!」

死の呪文が 勇者を襲う!

勇者「?!」
人魚「ゆうしゃぁー!!」

ルソリアは 身を挺して勇者を庇った!
ルソリアは 倒れてしまった!

79 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 10:25:00
勇者「ル、ルソリア…ルソリアー!」

勇者の攻撃!
勇者は キラーシェルBを倒した!

勇者「う…うおあぉーーーー!」

勇者は いなづまの剣を天に掲げた!

勇者「雷鳴よ、我が剣に集え!ライデイン!」

いなづまが 魚王を貫く!

魚王「グアアアアアアアア!」

魚王を 倒した!

80 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 11:00:39
勇者「ルソ、リア…」

勇者は 人魚の元に駆け寄った。

人魚「ゆう、sy」

人魚は 水かきの張った手を差し伸べた。

勇者「ルソリア…」
人魚「よか、た。ゆうシャ、ブジだた」

勇者「な、何で…何で俺を庇ったんだ…」
人魚「ゆしゃ、オン、ジン。にんぎょ、オレイすr、カナラず」

81 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 11:26:19
勇者は 人魚の手を取った。

人魚「ナkaなiで ゆsy ルソ、うれshi」
勇者「ルソリア…上手く聞こえないよ…」

勇者は 親睦の杖を掲げた。
しかし何も起こらなかった。

人魚「もゥ、おwaカre。ゆsya、ばいバi…」

ルソリアは 力尽き息絶えてしまった。

82 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 11:59:06
雨が 降り始めた。
冷たい雨が 勇者とルソリアの遺体を濡らし始めた。

勇者「また…また救えなかった…」
勇者「どうして、どうして俺は誰も救えないんだ…?」

勇者は 力いっぱい岩肌を殴った。
勇者は 力いっぱい岩肌を殴っている。

勇者「折角、あの日をやり直せてるのに…」
勇者「誰も救えない勇者なんて…なんて…」

勇者は 力いっぱい岩肌を殴り続けている。

勇者は 絶望に目の前が真っ暗になった!

83 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 12:28:54
【魔王城 玉座の間】

僧侶「…神よ!この者を眠りの淵から引き揚げよ…!ザメハ!」

勇者「………うーんうーん………えっ!」

僧侶「勇者殿、しっかりして下さい!」

勇者は 飛び起きた!

勇者「そ、僧侶?!」

84 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 12:56:12
勇者は 僧侶に抱きついた!

僧侶「寝ぼけてる場合ではありませんよ!」
勇者「ああ、僧侶…」すりすり

僧侶「…よほど深いラリホーだったのでしょうか…」

勇者(本当に、イヤな夢を見た…)

85 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 13:20:23
勇者(何だか長い夢を見ていた気がする)
勇者(ここは…魔王城、玉座の間…終点か…)
勇者(そうか…今日は、魔王と戦った日…か)

勇者は 飛び起きた。

勇者(扉を開ける時罠にかかって、俺達はラリホーを浴びた)
勇者(魔除けの首飾りをかけてて無事だった僧侶に、起こしてもらったんだ)

勇者(これが、もし本当に魔王と戦いを始めた時間なら…)

勇者「そ…僧侶!身を、低くしろぉ!」
僧侶「え、あ、はいっ!」

86 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 14:39:20
僧侶は 身をかがめた!
僧侶の頭上を 炎の玉が飛んでいった!

僧侶「ひゃぁっ?!僧帽が、ちょっと燃えましたよっ?!」

勇者(同じだ!あの日僧侶がこの不意打ちを食らって、
   俺達は体制を崩されたんだ!)

??「フフフ…良くぞ避けたな…」

彫像の間から 魔王が姿を現した!

勇者「お出ましだぜ…」

87 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 14:57:57
魔王「終点が玉座の間とは上出来じゃないか。
   勇者よ!我が生贄の祭壇へ良くぞ来た!
   我こそは、全てを滅ぼす者!」

魔王は 闇色のローブを翻した!

勇者「…僧侶。すぐ戦士と魔法使いを起こせ…」
僧侶「え、で、でも、魔王が…」

勇者「…大丈夫だ。まだ襲ってはこない」
僧侶「え…あ…わ、判りました…」

勇者(あいつ、口上が無駄に長いんだ)

88 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 15:44:03
僧侶「…神よ!この者達を眠りの淵から引き揚げよ…!ザメハ!」

僧侶は 戦士と魔法使いに呪文をかけ始めた!

魔王「全ての命を我が生贄とし、
   絶望で世界を覆い尽くしてやろう!
   勇者よ、我が生贄となれい!」

勇者は 大きく息を吸った!
勇者は 王者の剣を構えた!

89 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 16:08:15
勇者(魔王は…第二形態まで変化した筈)
勇者(俺は…それを知っている)
勇者(一回目は、考えないでMPを使ったからみんな倒されたんだ)

戦士「す、すまない勇者」
魔法「目ぇ覚めたぜ」

勇者「いいか、まずは肉弾戦で押すぞ!援護頼むぜ!」
僧侶「わ、判りました!」

勇者(今度は…誰も死なさない!)

魔王「勇者よ!何ゆえもがき生きるのか?
   滅びこそ我が喜び。死ぬ逝く者こそ美しい。
   さあ、我が腕の中で息絶えるが良い!」

魔王は ニヤニヤ笑っている。

勇者「行くぞ、魔王!」

90 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 16:29:41
勇者の攻撃!
 勇者の攻撃!
  勇者の攻撃!

魔王の 右腕を切り落とした!

戦士の 攻撃!
 戦士の 攻撃!
  戦士の 攻撃!
魔王の 左腕を切り落とした!

魔王は 身体だけになった!

勇者(ここで、身体だけになった魔王のお腹が開く筈…)

何と、魔王のお腹が妖しくうごめいた!
新たな顔が 現れた!

勇者(やっぱり、これは俺の知ってる魔王戦だ!)

91 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 16:43:53
勇者「僧侶、フバーハだ!」
僧侶「は、はい!」

勇者(誰も…誰も死なせない!生きて帰るんだ!)

魔法「灼熱の熱球に飲まれろ…メラゾーマっ!」
僧侶「我らを守る鎧となれ…スクルト!」

戦士「うぉりゃぁああ!」

勇者「数多の雷よ。我が剣に集え。
   立ちはだかる全ての敵に天罰を与えよ!ギガデイン!」

勇者達は 総力を結集して 魔王を攻撃した!

魔王「ぐああああぁああぁぁぁぁぁ!」

魔王を 倒した!

92 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/08(火) 16:53:33
戦士「やったな!」
僧侶「やりましたね!」
魔法「と、とうとう倒したっ!」

勇者「いや、まだだ!みんな、それぞれの手に捕まれ!」
全員「えっ?」

勇者は 魔法使いの手を力強く握った!
つられて 全員が手を繋いだ!

勇者(この後、異次元に飛ばされる…
   その時戦力をバラバラにされたから、俺達は苦戦したんだ!)

勇者たちの身体が ふわりと浮かんだ!
勇者達は 異次元に飛ばされた!

97 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 09:26:42
【魔王城 暗黒の広間】

魔王「さすがだな。伝説の勇者とその仲間達よ。
   しかし不幸なことだ…。
   なまじ強いばかりに私の本当の恐ろしさを見る事になるとは…
   泣くがいい。叫ぶがいい。
   その苦しむ姿が私への何よりの捧げ物なのだ!」

魔王(第二形態)が現れた!

勇者「最初は息攻撃が来る!全員防御で耐えてくれ!」
戦士「えっ?」
僧侶「わ、判りました!」
魔法「防御だな?」

勇者(ここまで。ここまでは、同じだ!)
勇者(何故だか判らないが、俺は、このシーンを確かに知っている)

98 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 10:00:34
魔王の口が 大きく開いた!

魔王「凍りつけ、永久に!」
勇者「させるか、ベギラゴン!」

勇者は ベギラゴンを放った!
魔王の凍りつく息を 和らげた!

勇者「魔法使い、戦士を援護!僧侶はベホマラー!」

王者の剣が 闇を切り裂いていく。

99 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 10:22:21
勇者(俺は、この戦いを知っている)
勇者(そう、今、ここで尻尾の攻撃が…来る!)

魔王は 太い尻尾を振り回した!
ミス!勇者は さっとかわした!

勇者(やっぱり、俺の知ってる魔王戦だ…)

勇者は 魔王と目が合った。

勇者(一手でも間違えれば、戦いは終わる)ごくり

魔王は ニヤリと笑った。

魔王「お前………時を越えてきたな?」
勇者「な、何…?」

100 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 11:26:07
魔王は 攻撃の手を止めた。
魔王は 翼を畳み床に降り立った。

魔王「ふは、ふははははははは!
   我が術中にはまった事にも気づかず、全く愚かな者だ!」

魔王は 太い腕を広げた!
世界が 暗転した!
何と仲間たちの姿が 闇に掻き消えた!

勇者「えっ?!」

魔王は ローブを翻した!
真っ黒な 暗黒空間が現れた!

101 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 11:57:40
魔王「何度、絶望に胸を焼いてきたのだ?
   何度、哀しみに心凍りつかせてきたのだ?」

不協和音が 空間に広がった!

勇者「う、うわぁっ?!」

勇者は思わず耳を塞いだ!

魔王「何度、愛しい者を死出の旅へ向かわせた?
   何度、仲間を死に追いやった?」

魔王は 鬼火を呼び出した!
何と 無数の死体が現れた!

102 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 12:25:08
死体「うぅ…」
死体「いだい…ぐるじい…」

死体達は 恨みのうめき声を上げている。

魔王「貴様の家族も、愛おしい女も、
   友も、仲間も、その夢の中で、何度殺したのだ?」

魔王は 高らかに笑っている!

勇者(ああ…そうだ………思い出した…)

勇者(俺は、何度も過去をやり直してきたんだ…)

103 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 12:44:56
勇者は へたりと座り込んだ。

魔王「ふはははは!
   何なら、もう一巡して来るか?
   その心折れるまで、また同じ場面を味わって来るか?」

魔王は 勇者に向かって指を突きつけた!

魔王「さぁ、どうする勇者よ?
   お前も人の子。死ぬのは恐ろしいだろう」
勇者「……… ………」

104 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 14:06:48
魔王「四肢を裂かれ、熱に身を焦がし、五臓六腑を食いちぎられ、
   そこに転がる仲間の様に、貴様も惨たらしく逝きたいのか?」
勇者「……… ………」

魔王は 天に向かって指をかかげた!
虹色の炎が 爪に灯った!

魔王「そこでだ。ここらで取引と行かないか?」
勇者「……… ………」

魔王「お前は死なせるのには惜しい力の持ち主だ。さぁ、この炎を見よ」
勇者「……… ………」

105 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 14:31:07
勇者は 考え始めた

勇者(このまま、魔王の取引に応じたら…どうなる…?)
勇者(俺は、助かるのか?)
勇者(魔王の手下となり、命を永らえるのか?)

勇者は 考えている。

勇者(一つ、納得行かない事がある)
勇者(この夢は、いつもここで終わる)
勇者(俺はこの先の展開を、知らない…)
勇者(しかし何故。何故ここで夢は止まるんだ?)

勇者は 必死で考えている。

106 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 15:04:52
勇者(何度繰り返しても、ここで終わる夢…)

勇者(俺はまた、繰り返すのか…?)

勇者(何度も何度も仲間を、親しい人を亡くすのか…?)

勇者は 剣を支えにして立ち上がった。

勇者(どうせ…どうせなら…やってみるか)

勇者(この先の展開が判らないなら、思いつくだけの事をやってみるだけだ!)

勇者(俺は、最後の最後まで、ヤツに屈したりしない!)

107 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 15:50:31
勇者「は…話を…聞かせてくれ。その…取引とやらの」
魔王「…ほほぉ…」

勇者は 一歩近寄った。

勇者「死ぬのは、恐ろしい。俺は………生きたい」
魔王「ほほう…」

勇者は さらに一歩近寄った。

魔王「我が僕の魔族となり、人の世を恐怖で支配する覚悟はあるのか?」
勇者「…ああ。俺にはもう、何も残されていないからな」

勇者は 悲しい微笑を浮かべた。

108 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 16:07:36
魔王「良い心がけだ。
   お前が我が軍門に加われば、人の世を滅ぼすのが楽になる。
   が、念の為だ。その剣を捨てよ。そしてその場で防具も脱げ」

勇者「…ずいぶん慎重なんだな、お前は」

勇者は 装備をはずした
勇者は ステテコパンツだけになった。

勇者「これで丸腰だ。あとは何をすれば良い?」
魔王「人が魔族になる為には、
   我が魔力をお前の身体に直接注ぐ必要がある。こちらに参れ」

魔王は 手招きをした。

109 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 16:38:18
魔王「首をどちらかに傾けよ。牙を突き立てやすくする為にな」
勇者「ずいぶん古典的な手法なんだな」

魔王「この方が味があるからな。
   最も…むくつけき男の血を吸うのに、風情もへったくれもないが」

魔王は 軽く笑った。
魔王は 勇者の背後に回った。

勇者「おいおい。バックから吸うのかよ?」
魔王「何だ。今更辞めると申すのか?」

勇者「背後に立たれると…その…何だ。尻がムズムズして気持ち悪いんだ」
魔王「ははは。我輩にその手の趣味はない。安心しろ」

110 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/09(水) 16:50:19
勇者は くるりと向き直った。

勇者「正面からガブっとやってくれ。この方が男らしい」
魔王「そうだな…そのほうが"らしい"な」

勇者は 両腕を広げた。

勇者(これで良い…良いんだ。これしかないんだ)
勇者(例え、これが上手くいかなくても…)
勇者(生きられるなら、またチャンスは来る)

勇者は 目を閉じた。
魔王が 近寄る気配がする。

勇者(俺は…最後まで何も諦めない)
勇者(それが、俺の選択だ)

魔王の鋭い牙が 勇者の首筋に突き刺さった。

112 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 09:33:55
【魔王城 とある一室】

??「…私の胎内に残された魔王の残滓から、
   魔王が何をしているのか、魔王が誰と戦っているのか、
   魔王の身に何が起きているのかが…伝わってきます…」

??は ベッドからその身を起こした。

??「これが、女王から授かった魅了の術の力だったのですね…」

??「己の生命力が尽きかけた魔王は、勇者に呪いをかけた。
   心折れるまで絶望を見せ、その心を喰らう呪術…
   相手の心を折れれば、その者を自由に支配できる呪い」

??は 立ち上がった

113 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 10:18:15
??「しかし…勇者はそれを、どうにか破ったようです…
   そして、魔王の命が…命のともし火が…今、消えた…!」

??は 扉に手を触れた。
扉は 音もなく開いた。

??「錠前の封印が、解けている…やはり、魔王は死んだのですね」

??は 長い耳をひくひく動かした。

??「おお!我らが精霊の王…エルフの神よ!我が祈りが届いたのですね!」

エルフの娘は 冷たい床にぬかづき、祈りを捧げた。

114 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 10:52:54
【数分前 魔王城 暗黒の広間】

魔王は 勇者の首筋に牙をつき立てている。
魔王は 勇者の首筋から 魔力を注ぎ始めた。

勇者「…油断したな、魔王…」
魔王「!!」

勇者は 最後の力を振り絞り、両腕で魔王に抱きついた!

勇者「俺が貴様の軍団に下るわけないだろう?
   俺は…腐っても勇者だぜ?」

魔王「ぬ、ぬふぇん(抜けん)!」もごもご

魔王の牙が 深く突き刺さる!

115 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 11:40:07
勇者「全てに遍く精霊の力よ。瞬く御霊の煌きよ。
   我が命と引き換えに、悪しき者を光へ返せ…!」

魔王「や、やえおぉ!(やめろぉ)」

勇者は メガンテを唱えた!

魔王「ひ、ひはまっ(貴様)!!」

勇者の身体から溢れる聖なる光が 魔王の口腔より侵入する!
命の光が 魔王の全身を内から焼き尽くす!

魔王は 勇者の身体を突き飛ばした!

勇者「…うぐぅっ…!」
魔王「く、くそっ…HPが赤ゲージだと思って…油断した…!!」

勇者は ふらふらと仰向けに倒れた。

116 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 12:22:08
魔王「…ぐ…ググ…ギ…ギギ!!」

魔王の身体に 亀裂が入っていく。

魔王「至近距離での…メガンテ…だと?」

勇者「はっ。その様子だと、もしかしてお前のHPも"赤"だったのか?」
魔王「!!!!」

魔王は 顔を真っ赤にした。

勇者「やっぱりそうか…
   だからお前は俺に取引を持ちかけたってワケか…はははっ…」

勇者は 力なく笑った。

魔王「ggggg………ぐ、ぐわあああああ!!!」

魔王は うめき声と共に弾けた!
魔王を 倒した!

117 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 12:46:11
勇者(相、打ちか…)
勇者(何はともあれ、魔王を仕留められたんだ)
勇者(…悪い気分じゃ、ないな)

勇者(空間の闇が、晴れていく)
勇者(あ、声が聞こえてきた…)

勇者(仲間のみんなと…ルソリア…か?)

勇者は 傷だらけの拳を天に掲げた。

勇者(みん…な………お、俺…魔王を倒した…ぞ…)

勇者は 目を閉じた。
勇者は 力尽き息絶えてしまった。

118 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 13:15:37
【魔王城 玉座の間】

エルフ娘が 現れた。

エ娘「こ、これは…死体が4つに…魔王の角…」

エルフ娘は 勇者の死体に駆け寄った。

エ娘「この人…知ってる…
   夢の中で、何度も私を助けようとしてくれた人…
   この人が…勇者だったのですね」

エルフ娘は、勇者の亡骸に触れた。
エルフ娘は、勇者の瞼をそっと閉じた。

エ娘「魔王が倒された事。勇者が魔王を倒した事。
   私が、世界に伝えましょう」

119 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 14:46:41
【はじまりの街 城】

大臣「お、王様っ!王様にエルフの謁見希望者が!」
王様「何?エルフじゃと?!」

エ娘「はじめまして、王様。
   私は誇り高き、エルフ一族の娘。
   今日は、魔王が討伐された事を伝えに参りました。
   こちらが、証拠の"魔王の角"です。
   貴国の勇者が、討ち取った次第にございます」

かくかくしかじか。

王様「なるほど。
   貴殿は、人目を忍ぶエルフ一族の身でありながら、
   勇者の偉業を伝聞すべく、世界を回っておると言うわけだな」

エ娘「左様に御座います、王様。
   私は…勇者殿に心を救って頂いた身。
   勇者殿亡き今、かの偉業を伝えるのが私の役目です」

120 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 15:12:22
エ娘「人魚族からも、勇者の功績は伺いました。
   人魚族の夢にも、勇者が現れたそうです。
   何でも、海辺の街を津波の被害から救ったとの事」

姫君「父上…勇者は…私の夢にも現れました。
   結果、この街を救ったではありませんか」

王様「うむぅ。あの悪夢の様な奇襲の事じゃな。
   勇者が、お前の夢に何度も現れ、
   モンスターの出現場所、時間を見せてくれたという夢じゃろう?
   その報告がなければ、
   我らが城下の地下室に避難する事は敵わず、
   また、多くの街の民を救う事が出来ず、
   被害はさらに増していたであろう」

121 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 15:46:36
エ娘「世界は平和を望んでおります。
   我が一族の女王も、魔王に怯えて私を差し出しただけにすぎません。
   エルフ族は、世界の席捲なぞ望んでおりません」

王様「…世界の平和、か」

姫君「勇者、そして仲間の方達は、その為に命を捧げました。
   お父様。このエルフ娘さんの言う事を信じ、
   エルフの里に向けている制圧軍を引いては頂けませんか?」

エ娘「姫様のおっしゃる通りに御座います。
   私が本日参ったのは、それをお願いする為でも御座います」

122 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 16:42:48
王様「貴女の言う事が真実である事は、あい判った。
   よかろう。
   精霊の隠れ城へ向かわせている各国の兵達を引く様、連合軍の各国に伝えよう」

エ娘「ありがたき幸せ…」

王様「しかし、条件がある。
   …彼の最後…いや、世界を回った勇者の立派な偉業を、
   貴女の口から、城下に住む勇者の母上に伝え頂きたい」

エ娘「必ずや、お伝えいたします」

エルフ娘は 天を仰いだ。

エ娘(勇者様…貴方が命を懸けて守り通した"平和"は、
   この私が、立派に成就させます。
   貴方に心を救われた…その御礼に…)

123 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 16:51:42
【エピローグ】
はじまりの街のお城の裏には、墓地があります。

墓地は、四季折々に色とりどりの花が咲き乱れます。
枯れる事ないその草花は、遠くエルフの里から贈られた魔法の花々です。

墓地にはまた、水のモニュメントがあります。
七色の水が湧き出すこのモニュメントは、人魚族から贈られた物です。

墓地の真ん中には、献花で埋め尽くされた墓石が並んでいます。

一つは戦斧を象った墓石。
一つは僧帽を象った墓石。
一つは神杖を象った墓石。
そして大剣を象った墓石が置かれた、4つのお墓です。

とても立派な装飾を施されたその墓石には、
世界を救った勇者の、その武勇伝が長々と刻まれています。
その武勇伝の最後は、こんな言葉で締めくくられています。

『心折れず、悪に立ち向かう勇ましさ。それを持つ者が、真の勇者である』
と。

* * * * * * * * * *
魔王「さぁ、どうする勇者よ?」

Fin

124 :ドロル ◆LIvweD/yxQ:2009/09/10(木) 16:54:53
※以下、本編とは関係ないコメントです。

今回のSSは、、普段私が書く物とはちょっと雰囲気が違うSSとなりましたが、いかがでしたでしょうか。

はじまりの街の人々を助ける辺りの設定が未だに納得いかない…
ですが、姫様助けたかったので、これでいい!w


ともあれ、お付き合い頂きましてありがとうございました♪
誰かの暇つぶしになったら幸いです。

おしまい。
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