2ちゃんねるまとめ
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1 : ◆HfQpRyMZXI:2009/08/19(水) 13:43:46
メイド1「魔王様www今wwガクンってなったwwww」

魔王「……あー……寝てた」

近衛1「お目覚めですか。寝てたといってもほんの数分ですけれど」

近衛2「座りながらでも寝るなんて、疲れが溜まってらっしゃるのでは」

魔王「いや、そんなことはない」

メイド1「またまたwwwwおじさんは無理しないd」モガッ

近衛2「魔王様、失礼しました。……メイド1、お前なあ…」




2 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 13:49:14
メイド2「魔王様、そろそろお休みになりますか?」

メイド3「それでしたらもうお開きにして寝る支度を…」

魔王「いい、いい。大丈夫だ。折角盛り上がっていたところだろう」

メイド1「プハッ。床で胡坐かいて飲んでる飲み会ですけどねwwww魔王城でなんでこんな飲み会をwwwww」

魔王「なんだ、嫌だったら遠慮せずにもう寝てくれてもいいぞ」

メイド1「嫌だなんて滅相もありません。楽しくて仕方がないですわ」グビーッ

近衛2「こいつ一番楽しんでますからね」

メイド2「ていうか性格変わりすぎですよね」

近衛1「素面でもたまにこんなんなってるから、これが素なんじゃないか」

3 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 13:56:34
魔王「誰か飲み物を頼む」

メイド3「かしこまりました。ロックでよろしいですか?」

魔王「ああ。で?どこまで話したんだ。メイド2の話までは聞いたな。死神がどうとかいう」

近衛1「はい。その後、残念ながら魔王様は寝ておられましたが、丁度私が話し終わったところです。さっちゃんという女の子の話でした」

メイド1「バナナwwwバナナの用意をwwwww」

近衛1「……」

メイド2「え、ええと、次は私の番ですね。とっておきの怖い話をご用意してますわ」

魔王「そうか。…ならばその前に、少し顔でも洗って目を覚ましてくるとしよう」スタスタ

メイド1「いってらっしゃいませご主人様ーwwwww」

メイド1「あっ!ってか、お酒足りない!『魔王』もう無い!!魔王様ーついでにお酒取ってきてくださああい!!」

近衛2「お前うるっせっ!ていうか自分でとってこいよ!メイドだろ!」

4 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 14:06:33
ガチャッ

側近「失礼します」

側近「魔王様…お取り込み中申し訳ないのですが書類にサインを…」フラフラ

メイド2「あら。魔王様ならたった今、顔を洗いに出て行かれましたよ」

近衛2「しばらくしたら戻って来ると思いますけど」

側近「そうか……じゃあ、少し待たせてもらってもいいかな?」

近衛1「ええ勿論ですよ。どうぞ」

メイド3「床に座ってもらうのもなんですから、こちらのテーブルへどうぞ」

メイド2「待ってる間側近さんも一緒にいかがです?」

側近「二人ともありがとう。でも私はまだ仕事があるので酒は結構だよ」

メイド1「さすがwww側近さん堅苦しいwwwwwテラ眼鏡wwwww」

近衛2「お前は本当……うるさくてすみません、側近さん」

側近「はは、別にいいよ。そういう場に来たのは私だし」

メイド2「そういえば魔王様遅いですねえ」

メイド1「確かにwwwウンコしてるんじゃないのwwww」

近衛2「近衛1、ちょっとあいつ黙らして」

近衛1「やだよ。それはお前の役目だろ」

5 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 14:17:00
トントントントン

メイド2(び、貧乏ゆすり……)

側近「……魔王様はまだか。本当遅いな……」イライラ

側近「すまないが喉が渇いた。水でも貰えないかな」

メイド1「かしこまりましたーww」

メイド3「いえ、あなたは座ってなさい。私がお持ちするわ」

メイド3(今のこの子は何をしでかすか分かったものじゃない)

コポコポコポ

メイド1「……wwwwwww」

メイド3「側近さん、どうぞ」コトッ

側近「ありがとう」ゴクゴクゴク

側近「ブ―――――ッ!!!!!」

メイド1「うはwwwktkrwwwww」

メイド3「そ、側近さんどうされました!?」

側近「ゲホッ、ゴホッ…ぅぇっ」

近衛1「な、何だ?どういうことだ!?」

メイド2「えっ?えっ?」オロオロ

近衛2「まさか毒とか…!?」

メイド1「毒とかwwwwねーよwwwwww」

近衛1・2「「…………」」

メイド3「側近さん大丈夫ですか!?」

側近「…ハー、ハー……これ…、お……」

側近「お酒じゃないか……」

6 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 14:23:25
メイド1「側近さんwwww眼鏡曇ってるしwwww顔真っ赤すぎワロタwwwww」

メイド3「………どういうことかしら」

メイド1「水入れてたポット中身をwwwww酒に替えただけだしwwwww側近酒弱すぎwwwwwwてかあたし超策士wwwww」

メイド2「側近さん、お水です。どうぞ」

側近「ぜえ…はあ、はあ…ど、どうも……」ゴクゴク

近衛1「…ってメイド2、もしかしてお前それポットから注いだ水じゃ……」

メイド2「はい、そうですけど…?」

側近「ブ―――――ッ!!!!!!」バタン

メイド1「まさかの二回目wwwwwどじっこメイドGJwwwww」

メイド2「そ、側近さああん!」アワアワ

7 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 14:33:37
メイド3「…………」ゴゴゴゴゴゴ

メイド3「……近衛1さん、近衛2さん」

近衛1・2「ハッ!」スタッ

メイド3「メイド2と私は側近さんの介抱をしますから、あなた方はメイド1の方をよろしくお願いしますね」ニコッ

近衛1・2「「了解!」」チャッ


近衛1「しかしどうする?」

近衛2「縛って外に吊るそう。…って居ない!」

近衛1「あいつ逃げやがった!」

近衛2「チッ…探すぞ!このまま逃がしたら俺達がメイド3に殺される!」ダダダダッ



メイド3「メイド2、あなたは食堂へ行ってお水を汲んできて。今度はちゃんとお水よ」

メイド2「わ、わかりました!」パタパタ


メイド3「側近さん、失礼します。…よいしょ、っと」ドサッ

メイド3「ふう、側近さんは魔王様のベッドに寝かせておくとして…ああもう、書類も濡れちゃってるわ。明日が大変そう」バサバサ

メイド3「……それにしてもメイド1…。あの子はどうしたものかしら」

メイド3「一応、メイド長さんに報告しましょうか……」ハァ

8 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 14:42:55
―― 時間を少し遡り、一方の魔王――

スタスタ

魔王(私としたことが、数分といえども寝ていたか…)
魔王(しかもその数分の間に夢まで見てしまうとは)
魔王(……意外と疲れているのかもしれんな。最近何もしてないが)

ジャー バシャバシャ

魔王「…ふう。さっぱりした」フキフキ

魔王「よし、戻るか」



スタスタスタ

魔王「……?」

魔王(夜も遅いのに、街の方がいつにも増して明るい……)
魔王(ああ、今日は夜通し祭があるとかメイド達が言っていたな。それか)
魔王(……部屋の連中は放っておいても大丈夫だろう)

魔王(ちょっと行ってみるか)

魔王「……」

魔王(玄関まで行くのも面倒だ。このまま窓から出よう。直進で済む)

ガチャ バタン

ヒュオオオ

魔王(今日は風が強いな) タンッ

9 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 14:47:13
―― 街 ――


ガヤガヤ ザワザワ

スタッ

魔王(おーおー。賑わっておる)

魔王(容姿は…服だけ変えておこう)シュン
魔王(こんなところか?他に何かいるものは……)
魔王(……必要になってから考えよう)

魔王(さて、行ってみるか)

スタスタ

10 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 14:53:52

ワイワイ ガヤガヤ

魔王(こんな風に人の街を歩くのは何年ぶりだろう)
魔王(いや、何十年、か?)
魔王(……どちらでもいいな)


魔王(酒や飴、とうもろこし、肉、……金魚まである)

魔王「最近の人間は金魚も食うのか……」

金魚屋「ワハハハ!食うわけねーだろ!!」

魔王「……そのための店ではないのか」

金魚屋「アンタまじめな顔して何言ってんだい。俺より若いのにボケてんのか?」

魔王(…………)

魔王「じゃあこれは一体なんだ?」

金魚屋「ゲームだよゲーム。あ、そ、び! 仕方ねえ、やり方も教えてやるから一回やってけよ!」

魔王「……構わんが」

11 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 15:01:53
魔王「……なるほど、把握した」

金魚屋「やり方はわかったな?それじゃ一回300インな」

魔王(イン?…ああ、金か。しまったな。忘れていた)
魔王「金の持ち合わせが無いんだ。これで何とかならんか?」スッ

金魚屋「はああ?金が無いとか何馬鹿なことを」パシッ

金魚屋「……これ宝石か!…本物だろうな?」

魔王「ああ」

金魚屋(ふん…まあこの出来ならパチもんでも、ここの代金よりは値は張るだろうし……)
金魚屋「いいぜ、一回やっていきな」

街の子1「ってちょっと待てよオッサン、おつりはちゃんと渡せよな!」

金魚屋「なんだ?」

街の子2「それ一個と金魚すくい一回じゃずるいよ~」

街の子3「どう見たって高いじゃんそれ!金魚すくい100回はできるだろ」

街の子2「欲張りはいけないんだー神様の罰があたるぞー」

街の子3「魔王から呪われるかもしんねー」

魔王(これしきで呪いなどしないがな……)

金魚屋「ぐっ、クソガキ共が…。わかっとるわ!!んじゃ釣りとして8000インやるよ」

街の子2「わあ~8000インだって!おじさんお金持ちだね!」

街の子1「金魚屋のオッサンぼったくってそうだけどな」

魔王「別に構わん」

街の子1「へえー……。なーなー、おっちゃん。勝負しようぜー!」

魔王「勝負?」

街の子2「僕ら3人とおじさんで、誰が一番すくうか!」

魔王「ふむ、いいぞ。その勝負受けよう」

街の子3「よっしゃ!負けたら勝った方にアイスな」

魔王「承知」

街の子2「そんじゃー…スタート!!」

15 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 22:29:41

――数分後


ワーワー スゲー

魔王「……おい」

金魚屋「……」

魔王「聞いているか」

金魚屋「……あんたの言いたいことはわかっとるわ」ブスッ

魔王「そうか。なら次の桶をくれ。もう金魚が溢れそうだ」

金魚屋「……悪いがもう止めてくれないか…商売上がったりだよ」

街の子3「おっちゃんスゲー!!」

魔王「うむ」

街の子2「ちょっとお酒くさいけど!」

街の子3「ちっげーし、酔ってんのにこんだけすくえるからスゲーんだし!」

街の子1「ポイ一本だけで金魚すくいまくりじゃん!街の子2なんて3本とも破れてんのに」

街の子3「ていうかポイあっても俺らがすくえる金魚いねー!」

街の子2「これ僕ら完全に負けだよ~!」

街の子1「ギャハハ、確かにー!でもすげーもん見れたからいいや」

ワーワー ワーワー

魔王「……」
魔王(騒がしい……)

魔王「3匹ほど貰って残りは返そう。こんなに金魚をもらってもしようが無い」

魔王「私は金魚なんか食べぬしな。子供達に食わせてやってくれ」

街の子3「俺らだって食わねーよ酔っ払い!」

魔王「……ぬう」

16 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 22:50:50

街の子1「勝負はおっちゃんの圧勝だったな」

街の子2「ってことで、僕らアイス買ってくるよ。何味がいい?」

魔王「何でも構わんぞ」

街の子3「ていうか大人なら遠慮しろってw」

魔王「勝負は勝負だろう。勝負に大人も子供も関係ない」

街の子3「や、関係ないことも無いと思うよw別にいいけどさ!」

街の子2「じゃあちょっと待っててねー」タタタッ

魔王「うむ」

魔王(……そのまま逃走しそうだな)




魔王「……」
魔王(ただ待つというのは暇なものだ)
魔王(子供らは放っておいて祭を回るか……)

魔王(……ん?)


子供「」フラフラ


魔王(何だあの子供。子供の癖に祭で遊ばないのか)
魔王(妙に元気が無いな。顔色が悪い。というか全体的に白い)
魔王(……)
魔王(まるで先ほど城で聞いた、怪談話にでてくる幽霊というやつだな)
魔王(幽霊ならば面白い……声でもかけてみるか)ザッ

子供「」フラフラ

魔王「おい、そこの……」

街の子1「おーい、おっちゃーん!」ダダダッ

街の子3「アイス買って来たぜ!」ドタドタドタ

魔王「…ああ、帰ってきたか」
魔王(……あの子供は)

子供「」スッ

魔王(家に入っていった。…体調を悪くして帰っただけか。つまらん)

17 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 23:22:17

街の子2「ふふふ、戻ってこないかと思ったでしょー?」

街の子1「そんなことするわけないけどな!」

街の子3「この街の正義の味方なんだぜ。俺ら少年自警団!」

魔王「正義の味方か。将来は勇者にでもなるのか?」

街の子1「ははっ、それは無理だろー。もう勇者いるし」

街の子3「はい、アイス。俺的おススメ、アイス屋の新作~」

魔王「ほう、どれどれ………………」

街の子2「どう?どう??」

魔王「不味い。非常に不味い。なんだこれは。食い物か?」

街の子3「ストロベリーブルーチーズケーキ味!」

街の子1「おっちゃん、眉間のシワがすっげえw」

魔王「…最近の正義の味方は人を騙すのか。ガッカリだな」

街の子2「えっ?!ち、違うよ、だましてないよ!」

街の子1「本当のおっちゃんの分はこっち!普通のバニラな」

街の子3「……うまいのに」ボソッ

街の子1「…あれ食うのお前だけだし……」

魔王「……私とは味覚が大分違うが、騙すつもりは無かったようだな。先ほどの発言は訂正しよう」

魔王「うむ、バニラは美味いな」

街の子2「よかった~」ホッ

街の子1「ん。じゃあおっちゃん、オレらはまだ遊ん…身回りがあるから!」

街の子3「荒稼ぎは程ほどにしろよー」

街の子2「バイバーイ」タタタッ

魔王「じゃあな」

魔王「……」

魔王「私も他を見て回るか」

18 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/19(水) 23:37:08

ガヤガヤ


魔王(これがトウモロコシか。祭の味付けだから大味だな…)モグモグ

魔王(しかし酒のツマとしてはいいかもしれん。……ん?)


街人「よう的屋。繁盛してるか?」

的屋「まあそこそこな。お前さんとこは?」

街人「今んとこ調子いいぜ。そういえば知ってるかい」


魔王(射…的?なんだこれは)


的屋「何をさ……ってちょっと待ってろ」

的屋「おう、らっしゃい。射的一回やっていかんかね」

魔王「これは何だ?どういうものだ」

的屋「アンタ射的知らんのかい。まあいいわ」

的屋「このおもちゃの鉄砲で、向こうの景品にコルク弾当てて落とすのさ。一回400インだよ」

魔王「…ほら、400イン」チャリン

的屋「毎度。弾はその箱に入ってる段数撃てるから」

魔王「わかった」

19 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 00:20:01

的屋「それで?なんだ街人」

街人「ん?ああ、数ヶ月前から勇者が行動を始めたって話は知ってるだろ?」

的屋「まあ一応な」

魔王「……」キュッキュッ

街人「でな。その勇者が最近この辺りまで来たらしい」

的屋「本当か」

街人「それっぽいのを見たというのがチラホラ居る。うちの家内も見たそうだ」

魔王「……」パンッ パタッ

的屋「おっ、お客さんそんな普通の体勢でうまいね。ほら、景品のチョコレートだよ」

的屋「しかし、勇者ねえ~。ここは魔王城最寄の街だから来るのは仕方ないが…」

街人「折角この数十年、魔王とのいざこざも無く平和に過ごしていたのによお」

魔王「……」キュッ…

的屋「それよ。勇者なんか来て魔王と戦争なんか始めやがったらこの街だってどんな被害を受けるか知れたもんじゃない」

街人「…こうして祭ができるのも今回までかね……」

魔王「……」バンッ

21 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 00:39:23

ドッ バタバタバタ

街人「!?」

的屋「おいおいおい…今の一発で全部落としやがったぞ……」

魔王(しまった…つい魔力を込めてしまった)

的屋「…ったくよお~人が傍でしみじみしてんのに…ははは!台無しだ」

的屋「もっと金を落として行って欲しかったが全部落とされちゃあしょうがねえ。好きなもん持っていきな!」

街人「凄いな、あんた狩人かなんかかね?今のどうやったんだい?」

魔王「いや、間違えて棚の支柱に当ててしまったんだろう」

的屋「それでも普通こんなことは起きないぞ」

街人「神さんが手助けしてくれたのかもな」

魔王(……)
魔王「それとそれ…あとそこのも貰おうか」

的屋「あいよ、紙袋に入れとくぜ。良かったよ、全部貰ってくとか言われないで」

街人「じゃあな、最後かもしれん祭、楽しんでけよ」

魔王「…うむ、それでは」

スタスタスタ


街人「……変わったお客だったなあ」

的屋「だな。さて、的を並べなおすか。街人手伝え」

街人「…おっと、そういえばまだやることが」

的屋「てめえ」

22 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 00:56:40

ワイワイ ガヤガヤ


魔王(…"勇者"ねえ……)
魔王(正直言って面倒くさい)
魔王(側近に言って襲撃させるか。仕事大好きなあいつなら喜んでやるはずだ)
魔王(よし、それがいい。そうしよう)
魔王(丁度良く城の奴らへの土産も手に入ったことだし、そろそろ帰るか)

魔王「……ん?」


子供「」フラフラ


魔王(あれは……先程の子供?)
魔王(前に入って行った家とは違う家から出て来たような……見間違えたか?)


子供「」スゥ


魔王(また別の家に入って行きおった)
魔王(奇妙だな。幽霊、いや物盗りかもしれん)
魔王(ならばまた出て来るか?)
魔王(……しばらく待ってみよう)

23 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 01:07:18

魔王「……」
魔王「…………」

子供「」フラッ

魔王(…出て来たな)

子供「」フラフラ

魔王(そしてまた別の家、か……ふん)

魔王「おい、そこの」

子供「」フラフラ

魔王「…聞こえているだろう。お前だ白いの」ガシッ

子供「……」フラッ

魔王「お前、先程から色々な家へ出入りを繰り返しているが、一体何をしているんだ」

24 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 01:20:16

子供「……」ジッ

魔王「答えろ。もしや物盗りか?」

子供「……」ジーッ

魔王(……なんだこの子供は)
魔王(先程の街の子らとは異質なものを感じる)

ザワッ

魔王「お前、もしかして幽霊とかいう類のものか?」

子供「……」ジーーッ

魔王「…何とか言え」

子供「……――」

魔王「ん?今か……」


スウゥゥゥーーッ


魔王(! 子供の体が、消え……!)
魔王「くっ…」


パキッ パリッパリパリパリィッ!!


子供「」ガクン ドサッ…

魔王「な…なんだったんだ、今のは……」

魔王(転移魔法か?…違うな。魔術とは、違う気配だった)
魔王(反射で攻撃してしまったが…死んだか?)
魔王(…いや、気絶しているだけらしいな。普通の人間なら死ぬはず)
魔王(……まさか本物の幽霊…か?)

魔王(おもしろい)
魔王(ここにおいて行くわけにもいかんし、連れて帰ってみよう)
魔王(人間ならどうでもいいが、もし幽霊ならあいつらに自慢してやろう)

26 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 19:47:55

―― 朝、魔王城 ――


メイド2「すっかり寝坊してしまいましたね」パタパタ

メイド3「結局昨日、魔王様は部屋にお戻りになられなかったけど…側近さんの分の朝食の準備をしなくてはならないわ」タタタッ

メイド2「……昨晩は大変でしたよね」

メイド3「本当そうね。…あら?コーヒーの香り…シェフかしら」


ガチャッ キイィッ


魔王「ん。お早う」

メイド2「ま、魔王様!…!?」

メイド3「!…お早うございます。お戻りになっていたのですね」

魔王「ああ、夜のうちにな。昨日は客室の方へ行っていた」

メイド3「…左様でございますか」

メイド2「あ、えっと朝食の準備は……」オドオド

魔王「私が起きた時間にはシェフはまだ寝ていたからな。自分でなんとかした」ゴクリ

魔王「うむ。自分で淹れるコーヒーもたまには良いものだ」

メイド3「……」

メイド2「……そ、それであの。魔王様?」

メイド3「……傍らにいるお子様は、一体どなたでしょうか…」

子供「……」モグモグ

魔王「幽霊だ」

27 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 20:04:37

メイド2「ゆっ」

メイド3「幽霊…ですって?」

魔王「ああ。昨日街で見つけてな。持って帰ってきた」

子供「……」モグモグ ゴクン

魔王「そういえば昨晩の祭の土産もあるぞ。…客室に置き忘れてきたが」

メイド3「わかりました。後ほど客室から魔王様のお部屋へお持ち致します」

魔王「頼む」

メイド2「…幽霊……」

子供「……」ジッ

メイド2(! こ、こっち見たあ!)ビクビク

魔王「そういえば側近はどうした。いつもなら朝一番で書類抱えて飛んでくるのに」

魔王「もしや、昨夜お前達と酒を飲んで寝ているのか?」

メイド3「いいえ。少しハプニングがあって倒れてしまいましたが、それから起き直して書類の作成を続けていますわ」

魔王「……はあ。仕方の無い奴だな。まあいい、呼んできてくれ」

メイド3「かしこまりました」

28 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 20:51:07
ガチャ バタン

メイド3「お連れ致しました」

側近「魔王様、お早うございます」フラフラ

魔王「顔色が悪いな」

側近「いえ、普通です」

魔王「書類は?」

側近「はい。サインを要するものはそちらで、こちらは目をお通しくださるだけで構わないものです。」ドサドサッ

側近「それと先程、西国より調査隊が帰還しました。詳細は後ほど魔王様へお伝えになるそうです」

魔王「……」パラパラ…

スッ カリカリ パラ…

メイド2(……この無言の時間がきついなあ…)

カリカリ パサッ

魔王「……」パララララ…

魔王「側近」パタン

側近「はい」ビクッ

魔王「何度言ったら分かるんだ?」
魔王「お前は酒を飲んだら効率ががた落ちするんだ。仕事量を増やしてどうする?酒を飲んだら仕事を止めて寝てしまえ」

魔王「この酒臭い書類も作り直しだ」バサッ

側近「…はい……」
側近(結局数枚しかサイン貰えなかった…)

29 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 21:14:26

魔王「ああ、そうだ、忘れるところだった。仕事の追加がある」

側近「は…」

魔王「なに、大した事じゃない」

魔王「勇者の襲撃だ」


側近「勇者…ですか?」

魔王「ああ。昨日街で聞いたんだが、この辺りに勇者様ご一行が来てるらしい」

メイド2(あ、お祭…いいなあ)

側近「それでしたらもうすぐこの城まで来るでしょうし…ここで倒したほうがよいのでは?」

魔王「側近よ、お前は分かってないな」

魔王「城内で戦うと、城内が土足で踏み荒らされ、また壊され、多くの部下も疲弊する。部屋の多くも暴かれてプライバシーも何もない」

側近(……そうすると修理や魔物たちからの不満の対応…仕事増加……つらい…!!)

魔王「それに私が戦いに出なくてはならんだろう。そういう決まりだからな」

魔王「だがそんなの面倒くさい」

側近「魔王様のお話はよくわかりました。私も賛成です」

側近「それでは近衛1と魔物数体を勇者へ差し向けましょう。力加減はいかほど?」

魔王「適当で良いだろう。逃げ帰る程度でも瀕死でも死亡でも、立ち向かう気力を削げればよい」

側近「では、そのように」



側近「……ところで魔王様?」

魔王「何だ。もう行っていいぞ」

側近「先程から気になっていたのですが…その子供は一体?」

魔王「こいつか?街で拾ってきた幽霊だ」

側近「……」グラッ

魔王「はは、顔色がさらに悪化したな。そうそう、昨日の土産をお前にもやろう」ポイッ

魔王「チョコレートだ。疲れているときは甘いものがいいと聞く。それを食べてまた仕事に励んでくれ」

側近「……お気遣い、感謝します……」フラフラ



メイド3「お疲れ様です。朝食はいかがなさいますか?」

側近「朝食は執務室にお願いします…」

メイド3「かしこまりました。すぐにお持ちいたします」ササッ ガチャン

側近「…ああ、どうも……それじゃあ…」フラフラ


バタン…

メイド2(…側近って大変だなあ……)

30 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 21:52:29

―― 魔王の部屋 ――


メイド3「魔王様」

魔王「なんだ」

メイド3「あの人間の子供ですが…これからどうなさるおつもりですか」

魔王「……そうだな。全く考えていなかった」

メイド3「親元に帰しますか?」

魔王「さっきから言っているが、幽霊だぞ。親なんかいるか」

メイド3(幽霊と決め付けているだけでは…)

魔王「仮に人間だとしても、祭の夜に人の家をうろつくような子供だ。親もいないんじゃないか?」

メイド3「そうだったんですか。だからいくら聞いても住んでる場所や両親の名前を言わないのでしょうか」

メイド3「でも…名前や、好きな食べ物や動物も、何も答えないんですよね」

魔王(昨晩捕獲してから色々と聞き出そうとしたが、一言も口を利かなかった)
魔王(メイド共が相手でも喋らんのか……)
魔王「もしや喋れないのか」

メイド3「かもしれません。ですが、それだけでなく笑ったり頷いたりもしないんですよ」

魔王「耳も聞こえないのかもな」

メイド3「……それで、親に捨てられたということも考えられますね」

メイド3「不憫なことですが人間界ではよくあることのようですし…」

魔王「じゃあここで飼うか。折角の幽霊だ」
魔王(昨晩の不審な行動の理由や方法も知りたいしな)

31 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 22:28:08

魔王「……」

子供「……」ジーッ

魔王「……」

子供「……」ジーッ

魔王「……ふう。よく飽きないな。そんなに面白いものか?ただの金魚だろう」

メイド3「気に入ったのかもしれません。水槽でもあればよかったですね。ガラスボウルでは金魚も少し窮屈そう」

魔王「…そんなものかね」


コンコンコン

『失礼します。魔王様、近衛1です。報告に上がりました』

魔王「入れ」

ガチャ バタン

近衛1「失礼します」

魔王「…どうした近衛1。複雑そうな顔をしとるぞ。勇者を殺したか」

近衛1「…結論から申し上げますと……勇者一行は死亡しました」

魔王「そうか。弱かったか?」

近衛1「いえ、自分達は戦っていません」

近衛1「勇者は……発見した時には既に息絶えていました」

魔王「ほう……。原因は?」

近衛1「野良の魔物や賊に襲われたという感じではありませんでした」

近衛1「毒や栄養失調、あるいは病気か何かかと」

魔王「それは勇者一行全員か?」

近衛1「はい、勇者、戦士、魔法使い、賢者…4人まとめてです」

魔王「……不思議なこともあるものだな」
魔王(まあ面倒ごとが無くなったわけだから別にいいか)
魔王「近衛1、ご苦労だった。下がってよいぞ」

近衛1「はっ。それでは失礼します」チャッ


ガチャ バタン


子供「……」ジーッ

魔王「……こいつはまだ金魚を見ているのか」

子供「……」ジーッ

32 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/20(木) 22:53:16

―― 魔王城、廊下 ――

テクテク テクテク


メイド2「……」

子供「……」

メイド2「え、えっと…側近さんにお名前とお部屋もらえてよかったですね~子供くん」ニ…ニコッ
メイド2(側近さん憔悴しきってましたけど)

子供「……」

メイド2「……うう…お返事なしですか…」

魔王「…何を怯えているんだメイド2。お前も魔族の端くれだろう、しっかりしろ」

メイド2「はっ…はいぃ…」
メイド2(魔族でも未知のものは怖いんです……)

魔王「これから子供の世話係なんだから早く慣れろ」

メイド2「がんばります……」

子供「……」


魔王「……ん?」


カツカツカツ


女「…あら。その子供はどうしたの?隠し子?」

魔王「挨拶も無しにいきなりそれか。相変わらずだなお前は」

魔王「…おかえり女」

女「ただいま」


メイド2(……二人とも会話は仲良さげなのに無表情…。怖いなあ)
メイド2「おかえりなさいませ、女さん」

女「ただいま」

子供「……」ジーッ

女「……?」

魔王「…女。今回はどうだったんだ?」

女「あ、そうそう。そのつもりで今からあなたの部屋に行く所だったのよ」

女「でも天気もいいし、中庭にでも行かない?」

33 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/21(金) 00:00:54

―― 魔王城、中庭 ――


女「んー…前に見たときよりも花が生き生きしてる」

魔王「夏だからな。前に見たのは秋だったろう」

女「そうだったっけ?そういえば今朝久々に会ったけど、側近体調悪そうだったよ」

魔王「あれがデフォルトだそうだが?」

女「馬鹿馬鹿しい……あなた有能なんだからあんな仕事くらい自分でこなしなさいよ」

魔王「面倒」

女「……なんでこんなヤツになっちゃったんだろう」

魔王「お前だって大概だ。お前の性格がうつったのかもしれんな」

女「私はちゃんと仕事してるでしょ」

魔王「仕事?趣味の間違いだろう?」

女「うるさいわね……。まあいいわ。その趣味の話をしようか」

魔王「聞こう」


女「そうね…西国は大陸が同じだから楽な旅…調査だったわ。馬車で移動が出来たのが大きいかな」
女「大国として安定して随分経つから、戦も無くて、馬車で移動できるだけの道が整備できたのね」
女「一次産業や経済も安定してるし、周りに点在する多くの小国とも友好みたい、今のところ。小国同士ではイザコザはあるみたいだけど些細なものよ」
女「あと、そうね。あの地方の地理は大して変わってなかった。国の内部の地図は流石に変動するけど」

女「……うーん、まあ報告するのはこんなところかしら。細かいところは後で書を読んで頂戴。地図も作っておいたから」

魔王「うむ、要約すると特に問題なしということか」

女「…そういうこと」

女「ああ、あと。桃がとってもおいしかったわよ」

魔王「土産か?」

女「無いわ」

魔王「気が利かんやつだな」

34 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/21(金) 00:35:46

女「で、こっちでは何か変ったことはあった?」

魔王「特に何も無いな。ああ、昨日は祭があったな」

魔王「あと勇者がこの辺りまで来てたようだが死んだ。なんの問題もない」

女(殺したのかしら)

魔王「それぐらいか」

女「本当?……さっきのあの子供どうしたの」

魔王「隠し子」

女「あんたにそういうの無理でしょ」

魔王「……。幽霊だ」

女「は?幽霊?……なんかの比喩?」

魔王「いや、本物の幽霊。白くて元気と表情無くて喋らない。しかも消えるんだ。魔術ではなくだぞ」

魔王「これを幽霊といわずして何を幽霊というんだ」

女「……はあ…。その幽霊の知識はどこから手に入れたの」

魔王「昨晩、怪談話とかいうのをやってな。知ってるか?怪談話とは、人間の間で伝わるという怖い話らしいぞ」

女「知ってるわよそんなこと。だいた、そういう話広めたの私なんだからね」

魔王「そうだったか」

女「そうよ。それも私の仕事の一つです」

女「そんな私から言わせてもらうとね、あの子は幽霊じゃないわ」

魔王「消えるんだぞ?」

女「……はあ」
女(まあこの城にいるのはみんな魔族だから、霊感無くても見えるのかもしれないけど)
女「壁を抜けたりする?ご飯とか食べたら量減る?影や足音は?」

魔王「む…なんだその質問は?」

魔王「壁は抜けん。食ったら飯がなくなるのは当然。影や足音は城の中だとわからん」

女「ふーん…まあどうでもいいわ。とりあえず幽霊じゃない」

魔王「答えさせといてどうでもいいはないだろう」

女「でも……人間でもないかもしれない」

魔王「何?どういうことだ?」

女「……帰ってきて早々だけど。気になることが出来たからまた出かけてくるわ」

36 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/21(金) 23:31:41


女「そうと決まればはやく準備して出ないと。じゃあね」


カツカツカツ


魔王「……」

魔王「女、ちょっと待て」コツコツ

女「何」

魔王「出かけるって、今度は何処へ行く?急ぎなら私が連れて行ってもいいぞ」

女「……そうね。馬車じゃ流石に時間がかかるし、お願いするわ」

魔王「して、何処へ?」

女「……北大陸、南大陸の永久氷山。それと西の砂漠、東の湖ね」

魔王「ほう……なるほどな。では行くか」

女「説明は要求しないのね」

魔王「教えてくれるのか?」

女「確信ないからまだダメ」

魔王「だろうな。じゃあ行くか」

37 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/21(金) 23:40:05

ヒュゥン… 


魔王「着いたぞ。北大陸の永久氷山だ」


ヒュオオオォォ


女「さ、寒っ…」ガタガタ

魔王「寒いか?仕方ないな、温度変化を受けないバリアでも張ってやる」

パアッ

女「…あ、寒くない。魔王のあんたには分かんないのね……」

魔王「で、目的の場所はここでいいのか?」

女「んー……座標軸ではここであってる。でも前の調査の時よりズレてるわ。少し歩いてみましょう」



女「……」ザクザク

魔王「……」ザクザク

女「……」ザク…

魔王「……あったか」

女「うん。ここは大丈夫ね……」

女「もういいわ。それじゃあ次行きましょう」

38 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/21(金) 23:50:25

―― 東の湖 ――


魔王「……どうだ」

女「うん、ここも問題ないわ」

女「これで4箇所とも確認できたわけだけど、意外と時間かかったわね。もう夕方じゃない」

魔王「まだあるんだろう」

女「よく分かったね。中央の森。これで最後よ」

魔王「魔王城の傍のか?……最初に行けばよかったのに」

女「近くは自分で行けるから」

魔王「まあいいさ。行くぞ」


キイィ…シュンッ

39 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/21(金) 23:59:56

―― 中央の森 ――


ヒュゥン… 


魔王「着いたぞ」

女「…!……」スタスタ

魔王「……」
魔王(……ボール?)ポンッ コロコロ

女「……やっぱり」カラン ガラガラッ 

魔王「壊されてるな。……祠、だったか」

女「ええ……」

女「……」サクサク

魔王「……」サクサク

女「……あの子供、幽霊ではないと言ったわね」サクサク
女「あの子は確かに幽霊じゃない。でも生気が無かった」
女「変だとは思ってた。でもあんたから幽霊の話を聞いてね、もしかして何かに取り付かれてるんじゃないかと思ったの」
女「そこで気になったのが祠よ。世界に五箇所、それぞれに悪いものが封じてある」
女「祠が壊されてソレが出ていなければと思ったの」
女「でも……」

女「……もう一度聞くわ。あの子以外に何か変ったことは無かった?それもごく最近」

魔王「ふむ」

魔王「そういえば勇者が死んだという報告を近衛1から受けたな」

女「殺したんじゃないの」

魔王「いや、近衛1が行った時には既に死んでたらしい。襲われたとかじゃなく、毒とか病気かもしれんとか何とか」

女「……最初からそう言いなさいよ馬鹿魔王。走るわよ」ザッ

40 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/22(土) 00:10:05

女「この森の祠に封じていたのは、確かエキビョウ、そして人間の悪意だったはず」
女「ボールが転がっていたから、遊んでいる時に見つけて興味本位で壊したのかも」
女「そしてエキビョウと悪意の塊が解放され、居合わせたあの子は見事にとり憑かれた、と」

魔王「もしかして勇者はそれの力で死んだのか」

女「おそらくは。相手が子供だから警戒もしなかったんでしょ」

魔王「だが、我々は半日同じ部屋で過ごしてもなんとも無かったぞ」

女「あの城にいるのは誰だと思ってるの?みんな魔物や魔族よ」

女「人間の病気なんて感染しない」

魔王「じゃあずっとあの城で飼ってればいいだろう」

女「消えるんでしょ?城から抜け出したら大変ね」
女「ずっと見張ってるわけにも行かないし。あんためんどくさがりじゃない」
女「幽霊の活動時間は夜と相場は決まっているけど、あの子はどうなのかしら」
女「今だってどうしているか分からない。それに……もうすぐ夜になる」

魔王「それで走ってるのか」

女「そういうこと」

魔王「よし、飛ぶぞ」タンッ

女「えっ?……わっ」ガシッ


バサァッ…

41 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/22(土) 00:21:06

―― 魔王城 ――


バサッ… トッ


女「ありがとう魔王」

魔王「うむ」

女「……子供はどこかしら」タタッ

魔王「というか見つけてどうするのだ?策はあるのか?」

女「策は無いわけじゃない」

女「っていうか覚えてないかもしれないけど、アレを封じたのはあんたよ」

魔王「何年前の話だ」

女「何年?数百年前よ」

魔王「方法はどうだ?覚えてるのか」

女「私を誰だと思ってんの。調査団団長でこの世界一の学者よ。それくらい当然」

魔王「さすが」

女「ただ……前と同じ方法が効くかは分からないわ。耐性とかできてたらどうしよう」

42 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/22(土) 00:55:00

カツカツ スタスタ

女「あの子どこ行ったのかしら……ていうか広いわね魔王城」

魔王「……む」

魔王「あれはメイド2か。丁度いい」

メイド2「あっ、魔王様と女さん。お帰りなさいませ」

女「ただいま」

魔王「お前一人か?子供は何処に行った」

メイド2「そ、それが…ちょっと目を離した隙に居なくなってしまって……」ビクビク

女「…はあぁー……」

メイド2「すっ、スミマセン!今探している所で…!」

女「どこ探したの?」

メイド2「えっと…下の階から探していって……」

魔王「我々は上から、となると」

女「もう城の中にはいないわね」

女「……外、か。まだなんともないといいけど」

44 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/22(土) 14:11:18

―― 街 ――

ザワザワ


女「この街も久々に来たけど、結構騒がしいわ」

女「ここからは二手に分かれて探しましょう。あんたは西、私は東からでいい?」

魔王「……」
魔王(……今思い出したが、私が人間を助ける必要とかないんじゃないか……)

女「……あんた今、なんで私が人間助けないといけないのか?とか考えてなかった?」

魔王「……」

女「まあ気持ちは分からなくもないけどね。これが人間の立場でも同じこと考えるでしょうし」

魔王「だろう?魔物の未来を考えると人間なんていない方が……」

女「でもそしたらあんた遊べないわよ」

魔王「何のことだ」

女「知ってんのよ?昨日街の祭に行ってたんだって?」
女「メイド3に聞いたわよ。お土産もらったって喜んでたし」
女「あ、食糧不足になっても困るわね~。魔物たちって一次産業ヘタよ」

魔王「……それは困る。美味いものを食べる趣味が無くなる」

女「でしょ。てことで、あんたは西、私は東」
女「見つけたら空に火花でも上げることにしよう」
女「それじゃ、解散」

スタスタスタ…


魔王「……チッ、あいつめ。自分が人間を滅ぼしたくないだけのクセに」

魔王「……はあ、面倒くさい」


スタスタ…

45 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/22(土) 14:30:40


ザワザワ ザワザワ


魔王(しかし……なんだか騒がしいな。祭でもないのになんだこの騒々しさは)
魔王(人が多くて歩きにくい)
魔王(いっそ全部消し去ってやろうか。いやそれは本末転倒か)


タタタッ ドンッ

「っと、ごめん!ぶつかった!……あ」

魔王「……お前は」

街の子1「昨日のおっちゃん!……なんか服すごくね?マント?」

魔王(……服を変えるの忘れていた)
魔王「気にするな。ちょっと訳ありだ」

街の子1「ふーん、まあいいけど。ってかさ!街の子2見なかった?」

魔王「見てないが」

街の子1「そっか。ありがと」

魔王「じゃあな」スタスタ

街の子1「あ、ちょっと待ってよ!……なー、おっちゃんは知ってる?」タタタッ
街の子1「昨日、この街の人が何人もいっぺんに死んだって噂」

魔王「……」スタスタ

街の子1「大人たちは教えてくれないんだ。そんでガキは家の中にいとけって言われてさ」
街の子1「でも俺らは正義の味方だからな。悪者がいたらほっとけないだろ!」
街の子1「誰が街の人を殺したかわかんないけど、俺たちが捕まえてやるぜ!」
街の子1「てなわけで仲間と情報の収集中。なんか知らない?」

魔王「……好奇心は、何を殺すんだったか」ボソッ

街の子1「は?何?何て言ったの?」

魔王「いや、なんでもない」スタスタ

46 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/22(土) 14:50:15

スタスタ スタスタ

魔王「……いないな」

街の子1「おっちゃんも誰か探してるの?おっちゃんの子とか?」

魔王「いや、私の子ではないが、まあ子供だ。白い子供。見なかったか?」

街の子1「白い?……うーん見てないなあ」キョロキョロ

街の子1「……あっ、あれは?」

魔王「ん?」



子供「」フラフラ



魔王「……いた」ゴソゴソ

街の子1「あいつ探してたの?ってか、あれって……街外れの子?」

魔王「知ってるのか?」シュッ…

街の子1「うん、街の外れに住んでるやつだよ」

街の子1「あいつの親も、昨日死んだって噂」

魔王「……そうか」

街の子1「正直、あいつも死んじゃったかと思ってた……生きてて良かったよ。別に友達じゃないけどさ」

街の子1「ってか聞いてる人の話?さっきから何してんの」

魔王「……」


ヒウュンッ… パッ パララララッ


街の子1「わっ、何何?」

魔王「……花火だ」

街の子1「花火って……何も持ってたようには見えなかったけど」

魔王(……いちいち面倒くさいな……)
魔王「魔法」

街の子1「おっちゃん魔法使いだったんだ?あ、だからそんな服?」

魔王「……そういうことにしといてくれ」

47 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/22(土) 15:20:42


街の子3「なんだあ?今の……」キョロキョロ

街の子3「あ! おーい、街の子1ー!…と、昨日のおっちゃんじゃん」

街の子1「街の子3!…街の子2はいたか?」

街の子3「どこにもいねー……どうしたんだろうな、あいつ」



子供「」スッ…

魔王(子供は……あの建物に入っていったか)
魔王「……」スタスタ

街の子1「あれ?おっちゃんどこ行くの?」

魔王「さっきの子供を捕まえるんだ」

街の子1「じゃあそれ協力する!だから捕まえたら街の子2探すの手伝ってよ」

街の子3「なんでさ?俺らだけで探そうぜ」

魔王「うむ、そうしろ」

街の子1「おっちゃん魔法使いだって!いたらなんか助けてくれそうじゃん」

街の子3「なるほどな!よし、おっちゃん手伝うぜ」

魔王「いらん。その話も受けるとはいってない」

街の子3「遠慮すんなって!そっか、魔法使いだったのかー。それで昨日の金魚すくいも凄かったんだな」

魔王「……」
魔王(疲れる)

48 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/22(土) 15:37:45

タッタッタッ…

女(さっきの火花……たしかこっちの方向から……いた!)

女「まお……」
女(人間の子供と一緒?……魔王、じゃまずいわね。それじゃあ)
女「男!」

魔王「来たか、女」

女「子供いたの?どこ?」

魔王「たった今、あの建物に入って行った」

女「あれは……神社?」
女(なんで神社に……)



女(……ていうかこの子達なんなのかしら。一緒にいられるとこまるわね、色々と)
女「あなたたち」

街の子1「何?」

女「私たちこれからちょっと用事があるからもう遊んであげられないの」

子供1「えー!遊びじゃないし…!」

女「そう。でも構っている暇が無いの」
女「だからもうさっさとお家に帰りなさい。もう夜よ」
女「また今度遊んであげるわ。じゃあね」
女「ほら、行くわよ男」

魔王「うむ。じゃあな」


スタスタスタ


魔王「……あっさり終わったな。あいつら私からは離れなかったのに」

女「あんたがトロいだけじゃないの」

49 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/22(土) 15:42:42

街の子1「……」ムーッ
街の子1「あのねーちゃん誰?知ってる?」

街の子3「見たことねー。おっちゃんの彼女とか?」

街の子1「魔法使いの彼女とか……あ、もしかして今ウワサの勇者パーティ?」

街の子3「マジで!だったらスゲーじゃん!」

街の子1「……おっちゃん達が何をするか興味あるよな?」

街の子3「当然」

街の子1「街の子2には悪いけど、あの二人を追いかけるぞ!」

街の子3「おう!こういう時にいないあいつが悪い」


ダダッ

50 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/22(土) 17:52:29

―― 神社、境内 ――



カツ…カツ…

魔王「さて、あの子供はどこだろうな」

女「……」

魔王「どうした、不満そうだな。階段で疲れたか?」

女「……なんでエキビョウが神社に入れるのよ……」

魔王「……」

女「エキビョウは疫病神」
女「疫病神を封じる際、和国の神式を用いたわ。和国語しか通じなかったからね」
女「神社は神聖な場所よ。たとえ形だけの場所だったとしても、疫病神は避けると思ってた」
女「でもどう?この現実。疫病神は子供に取り付き、神社にも入ってる」
女「これじゃ神式は無効かもしれない」
女「一体どうなって……」ブツブツ…


魔王(イラついてるな)
魔王「……私はあの子供を捜してくる」

スタスタスタ


女「……あいつ逃げたわね。触らぬ神に祟りなしってところかしら」



ガサッ

女「ん?」

51 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/22(土) 18:25:44


スタスタ

魔王(子供、子供っと……む)

魔王(あー……なんだ、縄が張ってある。邪魔だな)
魔王(切っていいのか?女に怒られるか)
魔王(直せばばれないだろう)グッ

街の子2「あっ、それ触っちゃダメなんだよ!」

魔王「んん?」

街の子2「しめなわ、っていうんだって」

魔王「お前確か……街の子2、か?」


ガサガサッ

街の子1「あっ!お前、こんなところにいたのかよー!」

魔王「……ついてきたのか」

街の子1「あっ……ち、ちげーよ!街の子2を探しに来ただけだって!」

街の子2「え、そうなの?ごめんね。僕、猫を探しに来てたんだ」

街の子1「見つかったか?」

街の子2「……裏で死んじゃってて。埋めてた……」

街の子1「……そっか」

52 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/23(日) 22:54:24

カツカツカツ

女「あんたたち何遊んでんの。男も」

街の子1・2「「!」」

街の子3「ごめん街の子1ー。女勇者に見つかった」


魔王「……女勇者、だと?」

女「ぷっ……クックックッ…」
女「あの子供達、私達を勇者パーティだと勘違いしてるみたいよ」ヒソッ
女「あんた魔法使いなんだって?」クスクス

魔王「笑うな」

女「魔王が勇者パーティの一員だなんて……お笑いにも程があるわ」ヒソヒソ

女「でも、そうね、どっちかと言えば……私は女勇者よりも女賢者かしら」


街の子3「おおー!てことは頭いいんだ?」

女「そこのオジサンよりはね」ニコッ

魔王「……」ムッ

53 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/23(日) 22:57:40

街の子2「……だったら」

女「?」

街の子2「だったら助けてよ!」
街の子2「おじさんとお姉さん、強いんでしょ?」
街の子2「人がいっぱい死んだって……隣のうちのおじさんも…」

街の子3「……アイス屋とこの兄ちゃんもらしい」

街の子2「なんで?魔物?盗賊?……犯人が誰でも関係ない…」
街の子2「怖いよ…もう人が死ぬの嫌だよ……」

街の子1「お前ら……」

街の子1「…なあ、おっちゃん、ねーちゃん、頼むよ。犯人やっつけてくれ」
街の子1「誰だかは知らねーけど、街の人たちを死なせたやつを許せない」
街の子1「俺らの集めた情報も話す。言うこともちゃんと聞く」
街の子1「助けてよ!もうこれ以上死ぬ人が増えるのも、泣くヤツがいるのも嫌なんだ!」

女「……」

54 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/23(日) 23:01:09


女「……わかったわ」
女(最初からそのつもりだったけどね)
女「そうね……うん、じゃあとりあえず知ってることを全部教えて」
女「それから私が話を聞く間に、ま…男は子供を捜してきて。頼んだわよ」

魔王「……ああ」スタスタ



女「さて、じゃあ今のうちに知ってることを教えて頂戴。頼むわよー少年探偵団」

街の子1「えっと、犯人とかどうやって死んだかはサッパリわかんないけど……」

街の子3「死んだのはアイス屋の兄ちゃんと、肉屋のじーちゃんばーちゃん、魚屋のおっちゃん」

街の子2「隣の家のおじさん、あと花屋さんとこもだって」

街の子1「花屋は一家全員だ。それから街外れの子の親」

街の子3「思ってたよりもたくさんだな……」

街の子2「……あれ?なんか教会で会ったことある人ばっかりだ」

女「教会?」

街の子3「教会ってキリジット教?」

街の子2「うん。僕の家もキリジットなんだ」
街の子2「さっき見かけたんだけど、街外れの子もキリジットなのに、なんで神社にいるんだろって思ってた」

女「キリジット……あれは東の地方に広まっていたはず……」

街の子1「それは知らねーけど。なんか最近こっちの街にも教会が立ったんだよ」

街の子3「で、街外れの子の家も入ったんだろうな」


女「へえー……」
女「あの子もキリジットか。とり憑いて変異した、とか?」
女「じゃあ今回は悪魔祓いってことになるのかな……」
女(和国には魔王なんてないから神式でも使えたけど……魔王ってキリジット上の敵として範囲内なんじゃないの)
女(一緒に退治されたりするのかしら。役立たず……)
女(……いや、逆に、魔王の力を利用できる?)

56 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/24(月) 19:24:44

女(魔王もそろそろ子供を捕獲してる頃かしら)
女「男を探してみよう」


タッタッタッ


女「あ、いたいた」
女「男ー捕まえたー?」

魔王「……」


女「……あんた何してんのこんなとこで」

魔王「逃げられた」

女「それで仏頂面で座り込んでるわけ?」
女「いいからとっとと探してきなさいよ?ん?」

街の子3「ははは、ねーちゃんこえー」

57 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/24(月) 19:47:41

街の子1「おい、街の子2……お前なんか顔色悪いぞ」

女「!?」

街の子2「……お姉さん、僕、なんか」
街の子2「気持ち悪……ぅ…」ガクッ

女「大丈夫?しっかり!」

魔王「……あいつの力か。どこだ?」

街の子2「……ハッ、ッ……息、が、できな……!」

街の子3「ど、どうしよう」オロオロ

女「魔王あんた、回復とかできないの?」ヒソッ

魔王「怪我とかなら治した事はあるが、人間の病気は知らん」ヒソヒソ
魔王「とりあえずやってみるが」

パアアァ

街の子2「……っ、は、はあっ…はあっ……」

街の子1「おおー!まだちょっと苦しそうだけど、落ちついたっぽい!」

女「……!そう、よかったわ」ホッ

58 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/24(月) 19:53:44


魔王(……何か気配がするな)


子供「……」

魔王「……おい、あいつを見つけたぞ。こっちを見ているようだ」
魔王「呪いでもかけているのかね」

女「……そう、分かったわ」
女「あなた達、そこでその子を見といて。すぐに終わらせて病院に連れて行く」

街の子1「ねーちゃん……」

女「大丈夫よ、なんとかするわ」ニコッ

街の子3「女賢者だもんな!」

女「そ。そして勇者も一緒だしね」ポン

魔王「……は?」

女「黙ってついてきなさい」ボソッ
女「さあ、行くわよ勇者」

魔王「……」
魔王(私は魔王なんだが)

59 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/24(月) 21:23:36

女「魔王、シールド張って」

ブウゥゥン…

女「オッケ。これで街の子達保護と子供の逃走防止、っと」

魔王「おい、さっきの勇者とは何だ」

女「ノリよ」

魔王「ノリか」

女「雰囲気でるでしょ。それじゃ、私の指示通りに動いてね」

魔王「普通は勇者に従うべきではないのか?」

女「さっきから黙って従ってるくせに今更何よ。いいから前見てなさい」

60 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/24(月) 21:36:54

子供「……」ユラ…


魔王「……で?どうするつもりだ」

女「私は死なないけど、エキビョウの力で病気にはなるから近づけない」
女「だからあんたに動いてもらう」

魔王「攻撃していいのか?殺しても知らんぞ」

女「心臓が止まる前に回復したらいいでしょ」

魔王「半殺しとは。お前も中々惨いことを考えるものだよな」

女「うるさい。無駄口たたく前に、あの子からエキビョウを叩き出しなさい」

61 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/24(月) 21:38:42

魔王「……ふん。いくぞ……」

コオオォォ……


女「ああ、言うの忘れてたけど……」


グアアァッ!!



子供「……」シュウウゥン


女「あの相手に闇の力は効果ない……って遅かったわね。吸収されたし」

魔王「早く言え」
魔王「無駄に力を使っただけではないか」

62 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/24(月) 22:26:46

魔王「まったくお前はいらん事は良く喋るくせに必要な時は……」ブツブツ

女「ハイハイ、後で聞くからグチグチ言わなーい」

魔王「それで」

女「なんか聖なる力っぽいのって出せる?」

魔王「魔王がか」

女「がんばれよ勇者」

魔王「魔王だ。お前こそ他に知恵出せ女賢者」

女「そうね、賢い私は考えます」
女「じゃあ聖水代わりに水をかけて、心臓止まるギリギリのラインまで電気で攻撃してみようか」

魔王「いいのか」

女「とりあえずあの子からエキビョウを追い出すのが先」
女「追い出したものは……好きなだけぶっ殺していいわ」
女「再度封印とか手間かかるしね」

魔王「……よし、とりあえずやってみよう」

63 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/24(月) 23:14:49


女「まずは水……ハイドロカッター出力最小」

魔王「……――――」


バシャバシャッ

子供「……」 グッショリ


女「よし、次は電気。スパーク」

魔王「……――」パリッ

パリッパリィ パパパパッ!

子供「……」シュン…シュン…

魔王「チィ、ここにきてちょこまかと……」ムッ
魔王「……"かみなり"」

……カッ!!

ドーーーーン

女「馬鹿か!死ぬだろ私も」パーン

魔王「はたくな、痛い」
魔王「死なん体だろう」

女「でも危ないっつーの」


子供「……」ブスブス…

女「ま、食らってはいるみたいだけど」

64 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/24(月) 23:38:23

子供「……」

女「倒れたまま動かないわね」

魔王「死んだか?」

女「さあ……憑き物が落ちたかも分からない」
女「ちょっと見てみようか」

魔王「うつ伏せだが」

女「持ち上げてよ」

魔王「……」

ゴロン


魔王「……よくわからん」

女「生きてはいるみたいだけど。まだ憑いてるかどうかは……!」ゾクッ

魔王「女、」

女(やば、後ろ…!)

疫病「……」ニィ

魔王「……――!!」


ゴッ


疫病「――!――――!!!」ボオオオオォォッ

女「……ご、劫火……」

魔王「女、死んだか?」

女「あんたの火で死ぬかと思った」

65 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/24(月) 23:47:35


女「でも助かったわ。流石にヒヤッとした」


疫病「――!!――!!!」ゴロゴロ バタバタ


女「……ゴキブリの死に際みたい」

魔王「表情が"早く死ね"と言っているぞ」


疫病「……――!……――…………」バタ…バタ……


女「……」

魔王「……」

女「……終わった?」

魔王「そのようだ」

66 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/25(火) 00:00:26

女「はは、まるで消し炭ねー」

魔王「消却しとこう」

シュウン


女「えっと、子供は……」

子供「……うぅ……」

女「この子もボロボロにしちゃったわね……ごめんね」
女「魔王、回復」

魔王「……」


パアアァ


子供「……」スゥ

女「よしよし。エキビョウから病気も貰ってないっぽいし」
女「魔王、シールド解除して。それから街の子2を病院に連れてこう」
女「担ぐのはもちろんあんたよ、魔王」

魔王「……」


ブウゥゥン…

67 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/25(火) 00:17:37

街の子1「おっちゃんスゲー!!!!」ワー!!

魔王「!?」ギョッ

街の子3「勇者!勇者!さすが勇者ー!!」キラキラキラ
街の子3「ねーちゃんは何もしてなかったけどなー」

女「頭脳派だからねー指示は全部私よ」フフン

街の子1「マジで!すげえ!勇者も賢者もかっこいいな!!」

魔王「…………」
魔王「病院行くんじゃないのか」ボソッ

女「さあ街の子達ー行くわよー」
女「キミも大丈夫かなー?」

街の子2「……うん、なんとか歩けそう……」

女「エキビョウ殺……倒して回復してるのかしら?」
女「とりあえず病院行こうねー」

街の子3「大丈夫か?」

街の子1「肩貸すぞ」

街の子2「あ、ありがと……」ヨロ…

68 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/25(火) 00:36:34

―― 道中 ――


スタスタ タッタッタッ

街の子1「なーなー勇者のおっちゃん!今度さっきの教えてくれよ!」

街の子3「火がゴーーーってのとかな!」

街の子1「かみなりドーンのもすごかったよなー」

街の子2「僕のこと助けてくれたのもさー」

ワイワイ



女「目ーキラキラさせちゃって」クスクス
女「気分はどうよ、勇者様?」

魔王「魔王だ」

女「子供達は勇者だと思い込んでるけどね」

魔王「……」

女「あの調子だと街中に言いふらしそうねえ」

魔王「……むう」

69 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/25(火) 01:02:25

女「……ふふ」
女「どう?しばらく勇者として過ごしてみたら?」

魔王「は?」

女「街に出やすくなると思うわよー。むしろ大歓迎でしょ」
女「美味しいものもサービスされまくりとか」

魔王「……」

女「惹かれてるし」

魔王「……先に行くぞ」スタスタ

女「まあまあ待ちなさいよ」
女「それでさ、勇者として旅にでも出ちゃおうよ。どうせ暇でしょ?」

魔王「何を言っている。魔王が勇者になると、魔王がいなくなるぞ」
魔王「勇者の旅する目的も無くなるだろうが」

女「じゃあ側近を魔王ってことにしとこう」

魔王「明日にも死にそうだがな」
魔王(ああ……子供の部屋の割り当てとかさせてたなそういえば)

女「じゃあ側近死んだらメイド3あたりでも魔王にしとこう」

魔王「お前の考えは軽すぎるな」

女「柔軟なだけよ」
女「側近はむしろあんたがいない方が長生きすると思うし」

女「とりあえず考えといてよ、勇者様」ニコッ

魔王「……ハァ」

70 : ◆HfQpRyMZXI:2009/08/25(火) 01:03:17

魔王「……まあ、いいけどな。暇だし」


【終われ】
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